日本開発銀行の昭和28年度中の新規貸付実行額は844億4千5百余万円で、主として基礎産業部門に重点を置いて融資されたもので、これを業種別にみると、左のとおり
業種 |
件数 | 貸付実行額 | 比率 |
電気業 |
件 80 |
百万円 43,855 |
% 51.9 |
運輸業 | 90 | 22,281 | 26.4 |
(海運業) | (66) | (21,749) | (25.8) |
鉱業 | 49 | 5,628 | 6.7 |
(石炭鉱業) | (37) | (4,526) | (5.4) |
金属工業 | 17 | 4,490 | 5.3 |
(鉄鋼業) | (16) | (4,290) | (5.1) |
化学工業 | 51 | 3,743 | 4.4 |
繊維工業 | 14 | 2,570 | 3.0 |
機械工業 | 23 | 771 | 0.9 |
農林水産業 | 17 | 739 | 0.9 |
その他 | 8 | 368 | 0.4 |
計 |
349 | 84,445 | 100.0 |
となっている。
また、農林漁業金融公庫および中小企業金融公庫の設立に伴い、政府関係機関の融資分野調整のため、同銀行が有していた貸付金債権をそれぞれこれら公庫に引き継ぐこととなり、農林漁業金融公庫へ26億2千6百余万円を引き継ぎ、中小企業金融公庫へ119億8千余万円(29年度引継分16億2千余万円を含む。)を引き継いだ。
貸付金債権の年度中回収額は223億9千5百余万円で、この内訳は開発資金(日本開発銀行になってから貸し付けたもの)85億5千8百余万円、復金承継債権(復興金融金庫から承継したもの)104億6千4百余万円、見返承継債権(米国対日援助見返資金特別会計から承継したもの)33億7千2百余万円であり、また、年度末の貸付残高は開発資金1333億3千9百余万円、復金承継債権480億4百余万円、見返承継債権1410億7千4百余万円計3224億1千8百余万円であって、このうち滞貸となっているものは開発資金7億2千2百余万円、復金承継債権88億余万円、見返承継債権3億8千9百余万円計99億1千3百余万円となっており、前記年度末貸付残高に対し3.1%の割合となっている。なお、年度末において債権を償却したものは76件1億2千9百余万円である。
本年度においては135億5千5百余万円の利益をあげ、その100分の20相当額27億1千1百余万円を法定準備金として積み立てて残額108億4千4百余万円を国に納付することとした。(うち年度末までに概算で国に納付した額は82億8千7百余万円で、残りの25億5千6百余万円は29年5月31日に納付した。)