(組織)防衛庁 (項)保安庁
保安庁第一幕僚監部で、昭和29年2月、随意契約により冬服41,700着を5月末を納期として日本毛織株式会社ほか4会社から1着当り4,800円総額200,160,000円で購入しているが、とくに取急ぎ購入する要がないのに業界の実情を考慮しないで調達を急いだため、当初の予定価格を総額で約1600万円増額して購入するのやむなきにいたったもので、前記(14)同様調達計画が適切を欠いたと認められる。
右は、本件購入に先だつ28年11月、同一規格の冬服6,000着を一般競争入札の結果1着当り4,368円で購入し、その後本件契約当時まで生地価格等には変動が認められなかったので予定価格を4,400円として指名競争入札に付したが、入札当時業界は内需および輸出品の生産に最盛操業中の時期であり、このような時期に短期間の納期で多量の発注をしたためこの予定価格では入札不調に終り、業界の要望をいれて予定価格を1着当り400円総額16,680,000円増額し前記のとおり購入したものであるが、本件冬服は29年10月以降に着用させるものであるから、このような時期にとくに予定した価格をこえてまで取急ぎ購入する要があったものとは認められない。
なお、防衛庁調達実施本部では、本件購入後29年10月に、12月を納期として指名競争契約により日本毛織株式会社ほか4会社から同規格の冬服20,000着を1着当り4,210円で購入している状況である。