(項)地方交付税交付金
自治庁で、昭和29年度地方交付税(普通交付税)交付金として42道府県に78,363,239,000円を交付しているが、そのうち本院で会計実地検査を施行した34道府県の全部がその配分の基準となる財源不足額(基準財政需要額が基準財政収入額をこえる額)を決定するに際し、基準財政需要額および基準財政収入額の算定を誤ったため、左のとおり財源不足額を過大に計上したものが24道府県118,788,000円、過少に計上したものが10県46,822,000円あり、ひいて交付額に不均衡を生じている。
道府県名 | 過大に計上された財源不足額 | 過少に計上された財源不足額 |
北海道 |
千円 29,254 |
千円 |
青森県 | 721 | |
宮城〃 | 33 | |
秋田〃 | 9,199 | |
山形〃 | 3,695 | |
福島〃 | 1,157 | |
栃木〃 | 4,133 | |
群馬〃 | 2,201 | |
埼玉〃 | 1,393 | |
千葉〃 | 827 | |
新潟〃 | 4,341 | |
富山〃 | 9,246 | |
石川〃 | 2,368 | |
山梨〃 | 7,782 | |
岐阜〃 | 1,676 | |
静岡〃 | 4,621 | |
滋賀〃 | 1,028 | |
京都府 | 5,546 | |
兵庫県 | 16,470 | |
和歌山〃 | 11 | |
鳥取〃 | 833 | |
島根〃 | 6,373 | |
岡山〃 | 202 | |
広島〃 | 9,940 | |
山口〃 | 1,617 | |
徳島〃 | 16,614 | |
香川〃 | 4,259 | |
高知〃 | 1,112 | |
福岡〃 | 2,061 | |
長崎〃 | 577 | |
熊本〃 | 4,832 | |
大分〃 | 2,821 | |
宮崎〃 | 1,245 | |
鹿児島〃 | 7,422 | |
計 | 118,788 | 46,822 |
このように、前記各地方団体が財源不足額の計算を誤ったのは、算定の基礎となる資料が多種多様であり、計算も複雑であることなどの事情にもよるが、主として不注意により算定に関する総理府令の規定の適用を誤ったり、計算違いをしたりするなど運用について適切を欠いたためと認められる。
なお、29年度の揮発油税譲与金として各都道府県および5大市に譲与した7,922,000,000円についても、本院会計実地検査の結果判明したもので、譲与の基準となる道路の面積を過大に計上したものが東京都ほか9府県分45,338,719平米、過少に計上したものが北海道ほか13県1市分2,984,010平米あり、ひいて譲与額に不均衡を生じており、そのうちおもなものは東京都および大阪府分であって、過大譲与額それぞれ1,280,972円および177,438,879円については本院の注意に基き30年4月返還させて再配分した。