国税収納金整理資金
仙台国税局および仙台北税務署で、昭和29年12月、東北電力株式会社に対し、24年10月から25年3月までの事業年度分法人税過納額1,792,857円、26年10月から27年9月までの2事業年度中に納付した所得税額のうち法人税額から控除することができなかった額3,877,399円計5,670,256円を還付(未納法人税に充当)し、これに対する還付加算金2,476,760円のうち2,353,304円を未納法人税に充当することとし、残額123,456円を30年5月支出しているが、還付手続が著しく遅延したため約190万円多額に還付加算金を支払う結果となっている。
右のうち過納法人税額の還付については、同会社が24年10月から25年3月までの事業年度分法人税を25年5月に1,792,857円と申告し納税したが、その後26年11月にいたって当該事業年度分として徴収すべき税額がないと決定したのに、すみやかに当初申告納税した法人税額1,792,857円について還付手続をとらず、同会社の申出により29年12月にいたりようやく還付したものでその還付加算金は1,197,770円となっている。
また、所得税額の還付については、同会社は26年10月から27年3月までの事業年度中に納付した所得税額1,435,197円の還付を27年5月に、27年4月から9月までの事業年度中に納付した所得税額2,442,202円の還付を27年11月に申請したが、その還付手続をとらず、同会社の申出により29年12月にいたりようやく還付したものでその還付加算金は1,278,990円となっている。
右は、過納法人税額の還付については徴収すべき税額がないと決定したと同時に、所得税額の還付については申請書受理と同時に過誤納の処理をして還付手続をとるべきであったのに、長期にわたって還付を遅延したしため多額の還付加算金を支払う結果となったもので処置当を得ない。
いま、仮に徴収すべき税額がないと決定した後または還付申請書を受理した後3箇月以内に処理を了し還付したとすれば、還付加算金約190万円は支払う要がなかったものである。