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  • 昭和29年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第5 大蔵省|
  • (一般会計)|
  • 不当事項|
  • 工事

敷地調査不十分なため不経済な工事となったもの


(52) 敷地調査不十分なため不経済な工事となったもの

(組織)大蔵本省 (項)公務員宿舎施設費

 関東財務局で、建設省関東地方建設局に委託した西巣鴨職員宿舎建築工事において、敷地調査を十分行わず既設の地下鉄路線を考慮しなかったため、工事途中で建物の一部に不同沈下をきたし、余儀なく4階建を3階建に設計変更し約120万円が不経済な支出となったものがある。
 本件工事は、昭和28年12月鉄筋コンクリート4階建2むね延542坪(32戸分)の職員宿舎建築に着手したもので、29年3月末3階までコンクリート打工事が終ったころ、うち1むね(A棟)が不同沈下をきたしたので、同年4月工事を一時中止しで調査した結果、A棟北西端の地下を通っている地下鉄路線のためとわかり、沈下防止のため基礎を補強するとともに4階建を3階建に設計変更(最終工事費25,643,000円)し、同年10月完成したものである。
 右地下鉄路線は、29年1月から開通した帝都高速度交通営団丸の内線の一部で、敷地の北西端部にかかって開さく式工法によって26年7月から27年7月までの間に敷設されたものであるが、A棟は北西端部がほとんどこれと接する位置に建築されたため、その影響により不同沈下をきたしたものであって、本件工事施行にあたり地下鉄路線を考慮しなかったものである。
 いま、仮に現在A棟位置に当初から3階建として建築したとすれば、右設計変更によって3階建となった現A棟と比べ当局の計算によっても約120万円を節約することができたこととなる。