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  • 昭和29年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第5 大蔵省|
  • (一般会計)|
  • 是正させた事項|
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共有船舶利用収入の徴収上の過誤を是正させたもの


(759)−(762) 共有船舶利用収入の徴収上の過誤を是正させたもの

(部)雑収入 (款)国有財産利用収入 (項)共有船舶利用収入

 共有船舶について徴収する金利および償却額は、主として本船の利用から生ずる総益金の配分によるものであるが、総益金は、船舶共有契約に基き共有船主が提出した共有船舶収支決算書を審査のうえ決定している。
 本院において、昭和29年度中、関東ほか2財務局が審査決定した共有船主86名(共有船舶168隻)の収支決算書の内容を調査したところ、本船の直接収入を脱漏しているもの、店費(間接費)として処理すべきものを船費(直接費)としているもの、修繕費等船費を過大に計上し、または繰上、繰延計上しているもの、店費と認められない経費を店費として計理しているものなどがあるのにそのまま容認し、ひいて金利および償却額に異動を生じ徴収決定不足となっていたものがあり、これを是正させたものが1船主10万円以上のもので14事項7,483,728円あり、そのうちおもな事例をあげると次のとおりである。

(759)  関東財務局で、太洋海運産業株式会社の昭和28年1月から12月までの事業年度分共有船舶収支決算査定において、若松丸および富山丸の船費として前期に計上した未払船舶固定資産税675,868円を当期において再び計上し、また、法人税等1,185,817円を店費に計上していたのをそのまま容認していたので注意したところ、30年6月国金利とし512,070円の追加徴収決定を了した。

(760)  近畿財務局で、福洋汽船株式会社の昭和28年1月から29年12月までの2事業年度分共有船舶収支決算査定において、日見丸の修繕積立金の引当超過額1,655,318円を船費に計上し、また、非常勤役員報酬880,000円を店費に計上していたのをそのまま容認していたので注意したところ、日見丸は既往の金利および償却額とも総額配分済となっていたので、30年10月福寿丸の国金利として1,064,696円の追加徴収決定を了した。

(761)  近畿財務局で、佐藤国汽船株式会社の昭和28年4月から29年3月までの事業年度分共有船舶収支決算査定において、東都丸の前期修繕費の一部600,835円を船費に計上し、また、役員賞与163,150円を店費に計上したのをそのまま容認していたので注意したところ、30年9月国償却額として664,635円の追加徴収決定を了した。

(762)  北九州財務局で、鶴丸汽船株式会社の昭和28年4月から29年3月までの事業年度分共有船舶収支決算査定において、第十二金山丸ほか2隻の修繕積立金の引当超過額2,868,956円をそれぞれの船費に計上し、また、設備資金利息等1,335,300円を店費に計上していたのをそのまま容認していたので注意したところ、30年10月国金利および国償却額として2,922,831円の追加徴収決定を了した。