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  • 昭和29年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第6 文部省|
  • (一般会計)|
  • 不当事項|
  • 予算経理

国の収入金を歳入に納付しないで予算外に経理したもの


(763)−(764) 国の収入金を歳入に納付しないで予算外に経理したもの

(部)雑収入 (款)諸収入 (項)受託調査試験及役務収入

(部)雑収入 (款)国有財産利用収入 (項)国有財産貸付収入

(763)  東京教育大学で、昭和28年2月から29年8月までの間に、同大学附置光学研究所の研究成果として生産された人工真珠顔料3,077.4キログラムを株式会社米田若松商店ほか4会社に引き渡し、その対価として受領した13,545,200円(キログラム当り4,000円から5,000円)をそのつど歳入に納付することなくこれを保有し、その一部を予算外に経理したものがある。
 右人工真珠顔料は、27年11月、その生産の工業化中間試験に要する施設を同光学研究所に整備し、その後従業員給与、材料購入等の経費も国費をもって支弁し、量産研究を行なった結果生産されたものであるから、その対価として受領した前記13,545,200円はすべて歳入に納付し、右研究および生産の経費はこれを歳出予算から支出すべきものであるのに、右代金のうち5,100,000円は28年3月から29年12月までの間3回にわたり1,700キログラムをキログラム当り3,000円で売り払ったこととして歳入に納付したが、残余の8,445,200円のうち6,661,906円は30年2月本院会計実地検査当時までに人工真珠顔料の研究生産等の経費に2,172,429円、謝金、交際費、雑費および光学研究所長渡し経費等に2,912,348円、財団法人応用光学研究所設立経費に1,270,695円を使用したほか使途不明のものが306,434円あり、1,541,785円を現金または預金で保有し、292,400円を財団法人応用光学研究所の収入金に誤入していたので注意したところ、前記6,661,906円のうち2,992,006円および右誤入金を回収したうえ保有金および預金利子を合わせ計4,826,800円を30年3月歳入に納付した。

(764)  一橋大学で、昭和28年4月から30年2月までの間に、一橋講堂使用料として劇団民芸ほか34名から652,635円および同講堂地下食堂22坪の使用料に相当するものとして株式会社富屋から107,257円計759,892円を、また、国民劇場および文部省後援団体等の使用の際電気水道料実費額として519,955円を徴収したが、右講堂等使用料のうち497,850円を歳入に納付し、残額を保有して予算外に経理し、講堂清掃料、講堂管理職員残業手当に計118,157円を使用し、また、前記の電気水道料実費徴収額を合わせ、これから実際の料金455,002円を支払い、30年2月末現在208,838円を保有していたので注意したところ、177,471円を30年3月歳入に納付した。