(組織)農林本省 (項)土地改良事業費 ほか1科目
仙台ほか3農地事務局で施行した農業水利、開拓、干拓各事業のうち、工事の施行が粗漏なものまたは工事の出来高が不足しているものがあるのに、現場監督ならびに検収不十分なため設計どおり完成したものとして経理し工事費の全額を請負人に支払ったものが左のとおり10件8,965,383円ある。
(1) 工事の施行が粗漏なため手直しを要するもの
庁名 | 工事 | 請負人 | 着工年月 完成年月 |
工事費 | 手直し所要額 | |
年月 | 円 | 円 | ||||
(844) | 岡山農地事務局 | 厚狭干拓建設事業東地区堤塘 | 株式会社吉田組 | 29、8 30、3 |
6,706,000 | 1,338,000 |
うち官給材料 1,556,000 |
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堤とう延長210メートルの表練積石垣543平米は平米当り胴込コンクリート0.158立米総量85立米、裏込コンクリート0.2立米総量108立米、裏練積石垣504平米は胴込コンクリート平米当り0.277立米総量139立米、また、隔壁コンクリートは27立米をいずれも配合比1:3:6のもので施行したこととしているが、実際は胴込コンクリートおよび裏込コンクリートは練混ぜおよびつき固めが不良で強度の弱い粗悪なものを半量程度施行したにすぎず、隔壁コンクリートも粗悪で工事の施行が粗漏となっており、既に表石垣にはき裂を生じている状況である。 | ||||||
(845) | 同 | 阿知須干拓建設事業堤塘根固 | 株式会社水野組 | 30、1 〃 3 |
3,079,991 | 1,002,000 |
うち官給材料1,013,991 | ||||||
堤とう延長350メートルの根固コンクリート394立米は配合比1:2:4のもので施行したこととしているが、実際は練混ぜおよびつき固めが不良で強度の弱い粗悪なもので施行しているため、その内部に空げきを生じ全面にわたって漏水している状況である。 | ||||||
計 | 9,785,991 | 2,340,000 | ||||
うち官給材料2,569,991 |
(2) 工事の出来高が不足し過渡の結果をきたしたもの
庁名 | 工事 | 請負人 | 着工年月 完成年月 |
工事費 | 出来高不足額 | |
年月 | 円 | 円 | ||||
(846) | 仙台農地事務局 | 三本木開拓建設事業谷地頭幹線導水路 | 大睦建設株式会社 | 29、8 30、3 |
16,247,913 | 564,700 |
うち官給材料2,410,913 | うち官給材料18,700 | |||||
水路延長519メートルのコンクリートブロック護岸3,116平米は裏込砂利平米当り0.27立米総量834立米を施行したこととしているが、実際は平米当り0.18立米総量560立米を施行したにすぎず、また、掘さく土15,960立米は平均10メートル運搬捨土したこととしているが、実際はうち5,535立米は捨土しないで堤とう上に放置している。なお、練積石垣58平米は平米当り割石を18個使いとし、胴込コンクリート0.14立米総量8立米を施行したこととしているが、実際は割石は控をつらに使用しているため平均12個使いとなり、胴込コンクリートは全く施行していない。 | ||||||
(847) | 同 | 西津軽農業水利事業廻堰大溜池堤塘増築 | 青森県秋葉某ほか3名 | 28、9 29、10 |
47,491,000 | 1,434,600 |
うち28年度分33,294,300 | ||||||
堤とう延長848メートルのから石積護岸4,444平米は割石を平米当り18個使いとし総量80,003個で施行したこととしているが、実際は割石の控をつらに使用しているなどのため平均14個使いとなり総量62,224個で施行している。 | ||||||
(848) | 同 | 定川農業水利事業出来川本線改修 | 大睦建設株式会社 | 29、8 30、1 |
7,420,000 | 680,000 |
排水路延長117メートルの練積石垣1,077平米は胴込コンクリート平米当り0.13立米総量140立米を施行したこととしているが、実際は胴込コンクリートは全く施行していない。 | ||||||
(849) | 金沢農地事務局 | 六日町開拓建設事業導水路 | 株式会社山田組ほか1会社 | 29、7 30、3 |
14,194,400 | 977,000 |
水路延長655メートルの三面張コンクリートは基礎コンクリートを合わせ底厚25センチメートルから35センチメートルで総量817立米、基礎ぐり石は厚さ15センチメートルで総量288立米を施行したこととしているが、実際はコンクリートは底厚7センチメートルから27センチメートルで総量714立米、基礎ぐり石は半量程度を施行したにすぎず、また、ずい道延長90メートルのコンクリート巻立は厚さ30センチメートルで総量160立米、裏詰ぐり石は191立米を施行したこととしているが、実際はコンクリートは厚さ平均25センチメートルで総量157立米、裏詰ぐり石は54立米を施行したにすぎない。 | ||||||
(850) | 同 | 信濃川左岸農業水利事業第4号幹線第5号隧道 | 川田工業株式会社 | 29、10 30、3 |
18,131,355 | 593,000 |
うち官給材料2,571,355 | うち官給材料193,456 | |||||
ずい道延長380メートルのコンクリート巻立は側壁および頂部厚30センチメートルまたは50センチメートル、底厚20センチメートルで総量1,194立米を施行したこととしているが、実際は側壁および頂部厚26センチメートルから33センチメートル、底厚17センチメートルから20センチメートルで総量1,101立米を施行したにすぎず、また、裏込ぐり石は159立米を施行したこととしているが、実際は127立米を施行したにすぎない。 | ||||||
(851) | 熊本農地事務局 | 嘉瀬川農業水利事業府県道古湯福岡線付替 | 大成建設株式会社 | 29、11 30、3 |
12,628,000 | 650,494 |
道路延長1,145メートルの練積石垣878平米は胴込コンクリート平米当り0.18立米総量158立米を施行したこととしているが、実際は粗悪なもので半量程度を施行したにすぎず、また、側こう延長1,135メートルのコンクリートは配合比1:3:6で170立米を施行したこととしているが、実際は160立米を粗悪なもので施行している。 | ||||||
(852) | 同 | 不知火干拓建設事業和鹿島工区提塘 | 株式会社大林組 | 29、6 30、1 |
18,695,000 | 636,589 |
堤とう延長749メートルの施行にあたり、基礎コンクリートブロックのうち1,112個の継手コンクリート99立米は配合比1:3:6で施行したこととしているが、実際は割ぐり石を混入した粗悪なもので施行し、また、導流堤のから積石垣764平米は控45センチメートルの割石を使用することとなっているのに、うち587平米は控30センチメートル程度のものを使用しており、胴込ぐり石は平米当り0.2立米総量152立米を施行したこととしているが、実際は平米当り0.14立米総量106立米を施行したにすぎない。 |
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(853) | 熊本農地事務局 | 三池干拓建設事業高田工区堤防ほか1 | 株式会社柿原組 | 29、5 〃 12 |
11,325,000 | 1,089,000 |
堤とう延長646メートルの練積石垣796平米は平米当り胴込コンクリート0.18立米総量143立米、裏込コンクリート0.15立米総量63立米を施行したこととしているが、実際は平米当り胴込コンクリート0.13立米総量103立米、裏込コンクリート0.11立米総量46立米を施行したにすぎず、また、延長1,594メートルの基礎捨石は9,425立米を施行したこととしているが、実際は8,261立米を施行したにすぎない。 | ||||||
計 | 146,132,668 | 6,625,383 | ||||
うち28年度分33,294,300 | うち官給材料212,156 | |||||
うち官給材料4,982,268 |