(項)保険金
通商産業省通商局で、昭和29年11月、株式会社鹿児島銀行に対し輸出金融保険保険金として1,200,000円を支出しているが、保険給付の対象となった生産資金1,500,000円のうち1,050,000円は輸出品生産のため使用したものではないのに、その全額に対し保険金を支払ったため840,000円が過渡となっている。
右は、同銀行が28年12月、興南工芸株式会社に対しアメリカ向け竹製品の生産に要する資金として貸し付けた1,500,000円を保険に付したところ、全額が未回収となったので前記保険金を支払ったものであるが、本院の調査によれば右興南工芸株式会社が借入金のうち輸出品生産のため使用したものは450,000円にすぎないもので、これにより計算すると保険金は360,000円となり、840,000円が過渡となっている。