昭和２９年度決算検査報告
（項）保険金
通商産業省通商局で、昭和３０年３月、野崎産業株式会社に対し海外広告保険保険金として２，３６６，５６７円を支出しているが、同会社の広告費支払額４，７３３，１３４円のうち４，３１５，０５０円は海外宣伝用に使用したものではないのに、その全額に対し保険金を支払ったため２，１５７，５２５円が過渡となっている。
右は、かん詰を米国に普及宣伝するため保険価額を５，０００，０００円、その保険金額を２，５００，０００円として契約したところ、輸出額が基準額を下回ったので、全額損失として同会社の広告費支払額４，７３３，１３４円の半額２，３６６，５６７円を支出したものであるが、本院会計実地検査の際の調査によると、右広告費支払額のうち、同会社が本件海外宣伝用として使用したものは印刷物および写真の製作代等４１８，０８４円にすぎないもので、これにより計算すると保険金は２０９，０４２円となり、２，１５７，５２５円が過渡となっていたので注意したところ、３０年９月これを返還させた。