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  • 昭和29年度|
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外航船舶建造資金貸付利子補給金に関する経理当を得ないもの


(2029) 外航船舶建造資金貸付利子補給金に関する経理当を得ないもの

(昭和28年度)(組織)運輸本省 (項)船舶建造及改造資金貸付補助
(組織)運輸本省 (項)船舶建造及改造資金貸付利子補給

 運輸省で、外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法(昭和28年法律第1号)に基き、日本郵船株式会社ほか53会社が昭和25年12月以降(油槽船は26年12月以降)新造した外航船舶153隻について、その建造資金を融資している日本開発銀行および株式会社日本興業銀行ほか68金融機関に対し28年度以降8箇年度間に総額13,764,647,439円を限度として利子補給金を支給することとし、30年3月末日までの分として28年度504,712,111円、29年度3,276,007,940円、30年度1,669,509,566円をそれぞれ支出している。本院においては、29年3月および4月、会計検査院法第213条第1項第3号の規定により利子補給または損失補償をする旨の契約にかかる融資を受けたこれら54会社の会計を検査することとし、そのうち30年9月までに日本郵船株式会社ほか52会社(利子補給対象船152隻)について会計実地検査を施行したが、飯野海運株式会社ほか5会社(利子補給対象船21隻)の分については関係帳簿を押収されているものがあることなどのため現在なお調査中である。

 利子補給金は、外航船舶建造のために融資されたもののうち乗出費用、値増し、追加工事、当初契約船価の低減額等を除いた金額に対し、金融機関の通常の融資利率と年五分との差の範囲内で支給するものであるが、検査の結果、契約船価の低減があったのにそのまま利子補給金を支給しているものが14事項71,391,000円あって、これらは今後の利子補給金の計算に影響させるとともに既に支出済の利子補給金のうち右低減額に対応する3,069,675円は返納させるべきものと認められた。また、金融機関から融資を受けた建造資金で造船所に対して支払を遅延したものが相当見受けられ、そのうち、とくに長期にわたるものについてそのまま利子補給金を支給することは妥当でなく、当該期間に対応する利子補給金相当額を国庫に納付させるべきものと認められたものが1事項487,657円あったので、これらについて運輸省に注意したところ、いずれも返納または国庫に納付させる旨の回答があったが、30年10月末現在まだ納付されていない。