郵政省で、昭和29年12月、随意契約により株式会社香文社印刷所から振替貯金払込書140,000冊を価額3,186,400円で購入しているが、このうち100,000冊相当分価額2,276,000円は従来から使用していた用紙との切替え処置が適切であれば購入の要がなかったものである。
右振替貯金払込書は、郵便局において使用者に無償で交付するものであって、従来から使用していた用紙は紙質不良等の理由でこれを廃し、30年4月から本件新用紙に切り替えるために購入したものであるが、旧用紙は紙質、記載様式その他からみて使用可能なものであり、かつ、28年度末在庫数貯蔵品約23万8000冊に対し、同年度中における各郵便局への払出数は約12万8000冊であって、29年度末在庫数としては、約11万冊(現にその在庫数は約11万8000冊となっている。)が見込まれたものであるから、この旧用紙を消化してから切り替えるべきであり、少なくとも約10万冊は消化することができたと認められ、もしその処置をとったとすれば、前記購入数量のうち約10万冊相当分価額2,276,000円については購入の要がなかったものである。現に、29年度中、各地方貯金局で同一用紙を本件と別に振替貯金加入者に売り渡す場合行なった新旧用紙の切替え処置についてみると、旧用紙を消化した後に新用紙を売りさばいている実情である。
なお、当局は、この廃止分を代金引換郵便物の引換金を受入局が振替送金する場合の払込書に転用することとしているが、これを転用するためわざわざ現に使用中の引換代金振替貯金払込書(年間所要量32,000冊に対し各郵政局の29年度末在庫数は貯蔵品だけでも21,836冊ある。)の使用を30年4月以降停止または廃止している。