郵便貯金は、昭和29年度において984億5千2百余万円の純増加をあげていて、年度末現在の貯金総額は4451億8千7百余万円となっている。
本特別会計の本年度欠損金は52億9千3百余万円であって、前年度からの繰越欠損金を加えると欠損金総額は143億2千6百余万円に達する。
しかして、29年度特別会計予算総則第8条に基いて利子収入の増加見込4億7000万円を支払利子の不足に充てることとしていたところ、利子収入の増加額は4億6千8百余万円にとどまったので、同額だけを支払利子の不足に充てたが、なお、本年度の支払利子で2億1千9百余万円の支出未済があるので本年度欠損金はこれを修正計算すると55億1千2百余万円となる。
また、外地郵便貯金の利子の支払いについてみると、同郵便貯金で20年10月1日以降現地預入分に対する預入期間を通算した元加利子7千6百余万円を本特別会計から支出しているが、同郵便貯金は、現地からの資金未着のため、元金の払もどしにあたり本年度に軍事郵便貯金の換算切捨となった分から資金処置しているのであるから、これに対する元加利子も元金同様の資金処置を講ずべきであって本特別会計の負担として支払うべきでないと認められる。
郵便貯金資金に対する収入の割合は6.3%で、資金コストは7.63%(利子率3.98%、同前年度3.68%、経費率3.65%、同前年度4.08%)であるから、1.33%の逆ざやとなっているが、これは前年度に比べ0.1%縮少している。