ページトップ
  • 昭和29年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第13 建設省|
  • (一般会計)|
  • 不当事項|
  • 補助金

国庫補助にかかる公営住宅建設工事の施行が粗雑なもの


(2208) 国庫補助にかかる公営住宅建設工事の施行が粗雑なもの

(組織)建設本省 (項)住宅施設費 ほか1科目

 福岡県で、久留米市が昭和28、29両年度に指名競争契約により有限会社永田工務店ほか5名に66,123,599円で請け負わせて建設した牟田山および中隈山団地の公営住宅283戸につき、この国庫補助基本額59,555,000円(うち28年度分49,984,000円)に対し国庫補助金として35,426,087円(うち28年度分30,641,087円)を交付したものがあるが、監督不十分なためその施行が仕様と相違し、手抜きが多いなど著しく粗雑な工事となっている。
 右工事は、契約単価坪当り21,574円から25,292円であって、久留米市が同一時期に建設した他の公営住宅建築工事の坪当り20,700円から26,604円とほとんど開差のないもので、建設省公営住宅設計基準および久留米市標準仕様に従い建築したこととしているが、工事の施行および監督が当を得なかったため、各戸の施行状況において多少の相違はあるが、軸組、小屋組の使用材料が図示寸法に比べ小さく、また、設計量を施行していないばかりでなく、その施行も母屋の継手持出しが多過ぎ、かつ、りゃん継ぎにすべきところを一通り継ぎとしたり、小屋梁の継手に所要の補強金物を施行していなかったり、ボールト締めしなければならない主要部分を簡単な釘付けとしているなどのため所定の強度を欠き軸組、小屋組に差狂いを生じて家がゆがみ、建具の建付けが不良なものが多く、なお、整地工事が不良なため床下に雨水の流入、渋滞等があって、満足に居住することができない状態であり、また、所定の耐用年数を保持することも困難と認められる。