(款)建設改良費 (項)局舎建設費
日本電信電話公社で、三宮電話局局舎を建設するについて同公社の予算が不足するのを補うなどのため、昭和28年5月公共建物株式会社と協定を結び、同会社の資金で同電話局局舎と同会社所有の一般貸事務室との総合の鉄骨鉄筋コンクリート造り地下1階、地上8階延14,708平米(うち同公社専用部分9,569平米)のビルディングとこれに伴う付帯設備の工事を施行させ、温湿度調整装置工事の一部を除き、29年12月15日完成したので、同公社専用部分の引渡しを受け、29年度中に建設費475,002,866円の一部として95,000、573円を支出しているが、その建設費の決定当を得ないため前記会社所有分の建設資金に充当された借入金の金利約400万円を全額同公社の負担としているものである。
右建物のうち同公社分の建設費は、これを数年間に支払うこととし、工事費425,208,118円、その管理費23,049,616円および28年10月から29年10月までの間に同会社が同公社の保証を得て金融機関から借り入れた420,000,000円の29年12月15日までの金利26,745,132円計475,002,866円を建設費と決定したものである。しかして、28年4月から29年12月15日までに同会社が本件建物建設のため支払った工事費および資材購入費は総額469,617,334円で、そのうち同公社分は324,694,984円、同会社分は144,922,350円となっており、この支払資金としては同会社は自己資金49,617,334円(月平均では36,109,000円)のほかは、金融機関から借り入れた前記420,000,000円を充てているものであって、同会社所有分の工事費支払額144,922,350円のうち自己資金を充てたものは49,617,334円で残余は右借入金によったものと認められるのに、借入金の金利26,745,132円の全額を同公社において負担することとしたのは当を得ない。
いま、右借入金のうち同会社所有分の工事費に充てた分の金利を同会社に負担させるものとして計算すると約400万円を節減することができたものである。
なお、工事完成後建設費を決定するにあたり、工事費の価額を同会社が実際業者に請け負わせた工事契約額および資材購入費の合計411,796,592円によらず、同会社と協議して決定した工事費概算額425,208,118円によっており両者の差額13,411,526円については、同会社が努力して節減したのであるから減額して決定すべきでないとしているが、同会社に対しては別に建設資金借入に対する利子のほか資金調達に対する諸雑費、報酬ならびに同会社の一般管理費および利潤等として管理費23,049,616円を支払うものであり、また、協定書にも概算額の範囲内にもいて決定すると定めているものであるから、これらの事情を勘案し減額して決定する処置をとることが望ましかったと認められる。