ページトップ
  • 昭和30年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第3 法務省|
  • (一般会計)|
  • 不当事項|
  • 予算経理

経理のびん乱しているもの


(49)−(51)経理のびん乱しているもの

(部)雑収入 (款)諸収入 (項)物品売払収入

(組織)法務本省 (項)法務本省ほか1科目

(組織)法務局 (項)法務局ほか1科目

(組織)矯正官署 (項)少年院ほか1科目

 大津地方法務局ほか2箇所で、架空の物品購入代等の名義で支払に立てて資金をねん出し、予算外の経費に使用するなど経理のびん乱しているものが次のとおりある。

(49)  大津地方法務局で、昭和29年1月から31年2月までの間に、架空の名義によりもしくは正当支払額に付増しして物品購入代、修繕費等計879,598円を支出し、または不用品の売渡代金のうち13,200円を歳入に納付しないで合計892,798円(うち28、29両年度分440,667円)の資金をねん出してこれを別途に経理し、うち507,571円を交際費、接待費に、117,774円を諸会議費に、240,549円を物品購入代等に使用し、31年8月本院会計実地検査当時残額26,904円を現金で保有していた。

(50)  神奈川少年院で、昭和30年5月から31年6月までの間に、架空の名義によりまたは正当支払額に付増しして物品購入代を支出し、これを接待費等に使用したものが53,110円あり、また、物品の購入等に際し、実際と異なる納入名義人、購入品目、印鑑により証拠書類を作成し、会計検査院に事実と相違した計算証明をしたものが46件202,539円(うち31年度分3件9,060円)あるほか、領置金として保管している収容者の携有金や差入金をほしいままに他に流用していたものが76件67,905円ある。

(51)  宮川医療少年院で、昭和29年4月から31年6月までの間に、架空の名義によりもしくは正当支払額に付増しして物品購入代、物件修繕代、護送旅費、宿日直手当計157,564円を支払い、または不用物品の売渡代金のうち8,967円を歳入に納付しないで合計166,531円(うち29年度分55,860円、31年度分16,771円)の資金をねん出し、これを別途に経理して予算外の経費に充てたほか、28年9月から30年8月までの間に、収容者の主食用精米について台風による被害米で使用可能なものを廃棄したこととしたり、米麦の混合比率を操作するなどして896キログラムを浮かし、うち605キログラムを接待用等に使用している。
 しかして、別途に経理した資金166,531円については、当局の説明によれば、うち122,204円を収容者の間食代や退職者に対する記念品購入代および正規の命令によらないで出張させた者に対する旅費等に充てたこととしているが、これを証する資料も整備されていないため事実を確認することは困難な状況である。
 なお、31年7月、本院会計実地検査当時残額44,327円および精米の残量290キログラムを隠匿保有していた。