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  • 昭和30年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
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災害復旧事業の査定額を減額させたもの


(1962)−(1963)災害復旧事業の査定額を減額させたもの

 地方公共団体の施行する公共土木施設災害復旧事業の査定を了したものに対する早期検査は、昭和28年発生災害の分から実施したが、その結果は昭和28、29両年度の検査報告に掲記したとおり、欠陥のあるものについては早期に注意して是正を促し効果的であったので、本年においても30年発生災害について復旧事業の査定額の比較的多かった県についてこれを実施した。

 右検査は、同年発生災害に対する復旧費査定額が3000万円をこえる広島ほか5県に対し、31年2月から3月までの間に、総工事数257その査定額3億9千1百余万円のうち234工事3億5千3百余万円について実施した。その結果は、申請工事に対する当局の査定が現地実査を励行したこと、検査基準を厳守したことなどにより相当改善の跡が見受けられ、不当と認められるものは減少したが、なお、採択されたもののうちには、一般に開放されていない民有の専用護岸を対象としているもの、防砂堤の工事において在来の施設を延長して工事を実施しようとしているものなどがあったので、査定工事費を適正なものに修正する必要があると認め当局に注意したところ、左のとおり18工事につき工事費において558万余円国庫負担金相当額423万余円を減額是正する旨の回答があった。

類別
県名

運輸省査定額

同上のうち本院において実地検査したもの 減額される工事費
改良工事その他 設計過大

工事数 金額 工事数 金額 工事数 金額 工事数 金額 工事数 金額

石川県

16
千円
32,822

1
千円
1,342

1
千円
233
  千円
 

1
千円
233
広島〃 94 91,101 90 87,517 1 517 4 76 5 593
愛媛〃 38 40,204 37 39,918 3 3,165 5 1,073 8 4,238
大分〃 37 40,538 37 40,538 3 433 1 92 4 525

185 204,665 165 169,315 8 4,348 10 1,241 18 5,589

  しかして、これら是正するもののうちおもなものをあげると次のとおりである。

(1962)  広島県が施行する因島市中浜港災害復旧は、査定額5,090,000円(国庫負担金3,512,100円)で防砂堤延長500メートルを復旧することとしていたが、右のうち30メートル工事費517,000円(国庫負担金356,730円)は在来施設がなかったものである。

(1963)  愛媛県が施行する宇和島市宇和島港災害復旧は、査定額2,552,000円(国庫負担金1,880,824円)で護岸延長185メートルを復旧することとしていたが、本件護岸は敷島紡績株式会社が所有し、同会社が宅地および農耕地として使用している土地の専用護岸であって、一般に開放されていないものであるから公共土木施設とは認められないものである。