郵政事業特別会計は、昭和30年度収益総額990億2百余万円(前年度928億余万円)に対し、損失総額980億3千2百余万円(前年度921億3千1百余万円)で、差引9億7千余万円の当期利益金(前年度6億7千8百余万円)を計上している。
本年度事業収入(業務外収入を除く。)は987億8千9百余万円(前年度925億9千1百余万円)で、前年度に比べ61億9千8百余万円の増収となっているが、これは郵便業務収入のうち切手類代、後納及別納料等の増加および郵便貯金特別会計、簡易生命保険及郵便年金特別会計、日本電信電話公社等他会計からの受入増加によるものである。一方、業務費は969億2千7百余万円(前年度911億3千1百余万円)で、前年度に比べ57億9千6百余万円増加しているが、これは人件費で42億7千1百余万円、物件費で15億2千5百余万円増加していることによるものである。
当期利益金9億7千余万円は、既往年度からの繰越欠損金45億8千8百余万円があるので、この欠損金の減額に充てることとしている。
本特別会計で、他会計業務および各種受払事務取扱に要する経費は、それぞれの会計から予算繰入となっていて、昭和30年度は539億2千5百余万円を受け入れており、この受入額は事業収入(業務外収入を除く。)に対し54%(前年度55%)に当り、その経費所要額の算定の適否は直ちに本特別会計の損益に影響するため適正な所要額の算定が望まれるところであるが、30年度事業別予算決算比較表によれば、他会計業務取扱に対する受入額と郵政省における使用経費との間に過不足をきたしている。すなわち、為替貯金事業(郵政事業自体の郵便為替等の事業と他会計の郵便貯金業務および各種受払事務部門)では、16億8千6百余万円の不足となっているが、本事業部門のうち、郵便貯金業務は為替貯金事業経費の約80%に当る業務量となっているから、これは主として郵便貯金特別会計からの受入額が使用経費より少なかったことによるものであり、また、保険年金事業(他会計の簡易保険および郵便年金業務部門)では、10億1千8百余万円の過剰となっているが、これは簡易生命保険及郵便年金特別会計からの受入額が使用経費より多かったことによるものである。