(組織)労働本省 (項)政府職員等失業者退職手当
北海道ほか45都府県の札幌ほか345公共職業安定所で、昭和29、30両年度中、受給資格のない陸上自衛隊の退職者に失業者の退職手当を誤払したものが1,979件14,598,856円ある。
政府職員等失業者退職手当は、各省各庁の長等またはその委任を受けたものが、受給資格のある退職者に限り交付する政府職員等退職票に基いて公共職業安定所が支給するものであるが、本件失業者の退職手当は、防衛庁職員中任用期間を定めて任用されている自衛官に対するもので、防衛庁職員給与法(昭和27年法律第266号)第28条の規定によれば、右自衛官に対しては特例の退職手当が支給され、その支給を受けた場合には、その計算の基礎となった期間は国家公務員等退職手当暫定措置法(昭和28年法律第182号)の勤続期間から除算することとなっているのに、陸上自衛隊で法律の適用を誤ってこの期間を除算しなかった結果、政府職員等失業者退職手当の受給資格がない者に政府職員等退職票を交付し、また、公共職業安定所でも注意が行き届かないでそのまま失業者の退職手当を支給したため誤払が生じたものである。
なお、前記誤払額のうち、31年9月末までに2,781,612円が回収されたが、まだ11,817,244円は回収されていない。