(項)保険金
失業保険事業における保険給付の適正を欠いた事例については昭和29年度決算検査報告において指摘したところであるが、このような事例はなお相当多数あるものと認められるので、31年中においても約41万3,000人(31年3月現在)に達している一般失業保険の保険金受給者に対する給付の状況につき、全国670箇所の公共職業安定所等のうち青森公共職業安定所ほか342箇所で、再就職したもの115,167名についてその適否を実地に調査したところ、失業保険金受給者が再就職したのにその届出を怠ったものに対し、再就職した事業所から提出される被保険者資格取得届の活用等十分な調査を行わないでそのまま給付したため、29年4月から31年8月までの間に給付された保険給付のうち適正を欠いていると認められるものが青森公共職業安定所ほか297箇所において51,345,770円ある。保険給付の適正化については、労働省においても不正受給専任調査員を設置するなど努力の跡が認められるが、なお前記のような結果を生じているので今後一層の努力の要がある。
右保険給付の適正を欠いたもののうち都府県別にその額20万円以上のものをあげると左のとおり23件50,643,405円である。
都府県名 | 公共職業安定所 (出張所、分室を含む。) |
受給者調査人員 | 保険給付の適正を欠いたもの | ||
人員 | 金額 | ||||
(2039) |
青森県 |
青森ほか8箇所 |
人 10,450 |
円 248 |
円 518,650 |
(2040) | 岩手〃 | 盛岡ほか8箇所 | 1,802 | 114 | 373,620 |
(2041) | 秋田〃 | 秋田ほか8箇所 | 1,345 | 104 | 353,700 |
(2042) | 福島〃 | 福島ほか10箇所 | 2,981 | 95 | 390,000 |
(2043) | 茨城〃 | 水戸ほか7箇所 | 1,011 | 83 | 280,730 |
(2044) | 群馬〃 | 前橋ほか10箇所 | 451 | 93 | 351,650 |
(2045) | 埼玉〃 | 浦和ほか12箇所 | 821 | 86 | 1,004,210 |
(2046) | 千葉〃 | 千葉ほか5箇所 | 924 | 67 | 867,580 |
(2047) | 東京都 | 飯田橋ほか15箇所 | 6,668 | 754 | 9,927,050 |
(2048) | 神奈川県 | 横浜ほか11箇所 | 4,942 | 395 | 4,417,525 |
(2049) | 新潟〃 | 新潟ほか16箇所 | 9,111 | 331 | 812,525 |
(2050) | 富山〃 | 富山ほか7箇所 | 4,356 | 154 | 541,960 |
(2051) | 長野〃 | 長野ほか13箇所 | 13,624 | 299 | 422,785 |
(2052) | 愛知〃 | 名古屋中ほか16箇所 | 7,219 | 462 | 3,685,425 |
(2053) | 京都府 | 京都西陣ほか6箇所 | 244 | 44 | 663,540 |
(2054) | 大阪〃 | 大阪城東ほか15箇所 | 11,971 | 973 | 11,632,130 |
(2055) | 兵庫県 | 神戸ほか17箇所 | 7,839 | 475 | 5,206,585 |
(2056) | 岡山〃 | 岡山ほか一二箇所 | 4,420 | 243 | 883,225 |
(2057) | 広島〃 | 広島ほか十五箇所 | 4,343 | 90 | 463,535 |
(2058) | 香川〃 | 高松ほか四箇所 | 1,332 | 84 | 420,145 |
(2059) | 福岡〃 | 福岡ほか十六箇所 | 9,452 | 564 | 6,559,960 |
(2060) | 熊本〃 | 熊本ほか七箇所 | 1,547 | 79 | 498,375 |
(2061) | 大分〃 | 大分ほか六箇所 | 2,089 | 58 | 368,500 |
計 | 108,942 | 5,895 | 50,643,405 |