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  • 昭和30年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第12 建設省|
  • (一般会計)|
  • 不当事項|
  • 補助金

災害復旧事業の査定額を減額させたもの


(2131)−(2134)災害復旧事業の査定額を減額させたもの

  地方公共団体が施行する公共土木施設災害復旧工事の査定を了したものに対する早期検査は、昭和28年発生災害の分から毎年これを実施してきたもので、その結果については、昭和28、29両年度の検査報告に掲記したとおりであるが、本年においても30年発生災害について早期検査を実施するとともに28、29年発生災害復旧工事未着手の地区で前年まで検査を行わなかったものについてもあわせて実施した。
 30年発生災害については、復旧費査定額が3億円をこえる北海道ほか9県を選び、31年2月から6月までの間に、総工事数7985箇所その査定額89億9千1百余万円のうち5028工事59億6千8百余万円について実施した。その結果は、建設省において、30年7月災害査定官制度を設置して、現地査定を強化し、採択の厳正をはかったことなどにより、過年発生災害の査定に比べ相当改善の跡が見受けられているが、なお、採択された工事のうちには、重複して査定しているもの、災害を受けていないのに改良工事を施行しようとしているもの、現地の確認が不十分で所要量を過大に見込んでいるものなどがあり、査定工事費を適正なものに修正する必要があると認められたので当局に注意したところ、次表(折込)のとおり124工事につき工事費において2280余万円(うち実施の際設計変更予定のもの31工事620余万円)国庫負担金相当額1750余万円を減額是正する旨の回答があった。

県名 種別 建設省査定額 同上のうち本院において実地検査したもの 減額された工事費
二重査定 改良工事その他 設計過大
年災 工事数 金額
(千円)
工事数 金額
(千円)
工事数 金額
(千円)
工事数 金額
(千円)
工事数 金額
(千円)
工事数 金額
(千円)
北海道 28 485 607,856 177 230,320



3 915 3 915
29 335 523,589 125 268,299



3 719 3 719
30 2,257 3,433,915 677 1,642,938



10 2,411 10 2,411
3,077 4,565,360 979 2,141,557



16 4,045 16 4,045
岩手県 28 29 39,116 28 28,993

7 873

7 873
29 22 13,301 22 13,301







30 362 591,780 162 416,379

7 1,046 2 302 9 1,348
413 644,197 212 458,673

14 1,919 2 302 16 2,221
秋田〃 28 97 137,169 47 83,343

2 2,041 3 1,124 5 3,165
29 32 65,856 13 23,807

2 2,591

2 2,591
30 871 971,190 462 519,521

10 1,542 4 1,141 14 2,683
1,000 1,174,215 522 626,671

14 6,174 7 2,265 21 8,439
山形〃 28 286 300,180 93 109,228

5 1,041

5 1,041
29 58 46,581 31 31,921

1 244

1 244
30 454 669,954 254 379,369 1 478 2 796 9 1,437 12 2,711
798 1,016,715 378 520,518 1 478 8 2,081 9 1,437 18 3,996
広島〃 28 676 379,711 116 113,322 2 1,606



2 1,606
29 711 435,773 375 268,540 1 514



1 514
30 433 390,544 380 381,664

6 796

6 796
1,820 1,206,028 871 763,526 3 2,120 6 796

9 2,916
山口〃 28 1,146 754,147 36 36,280

5 2,916

5 2,916
29 2,207 1,221,355 837 787,076

1 255

1 255
30 998 1,358,742 819 1,238,135 1 190 11 1,990 5 1,369 17 3,549
4,351 3,334,244 1,692 2,061,491 1 190 17 5,161 5 1,369 23 6,720
高知〃 28 10 5,254 10 5,254

1 106

1 106
29 22 16,218 22 16,218







30 714 512,182 649 408,413

13 1,883 7 2,814 20 4,697
746 533,654 681 429,885

14 1,989 7 2,814 21 4,803
福岡〃 28 2,080 1,693,695 23 18,895 1 1,532



1 1,532
29 998 489,631 305 295,518 1 177 15 5,279 3 510 19 5,966
30 881 341,201 744 316,710

8 683 6 516 14 1,199
3,959 2,524,527 1,072 631,123 2 1,709 23 5,962 9 1,026 34 8,697
宮崎〃 28 222 129,582 54 68,051

3 691

3 691
29 780 985,008 126 103,409

4 379 3 1,056 7 1,435
30 433 362,271 393 340,868

7 604 6 948 13 1,552
1,435 1,476,861 573 512,328

14 1,674 9 2,004 23 3,678
鹿児島〃 28 160 133,582 44 61,338







29 285 223,391 19 25,943







30 582 360,157 488 324,797

6 686 3 1,239 9 1,925
1,027 717,130 551 412,078

6 686 3 1,239 9 1,925
合計 28 5,191 4,180,292 628 755,024 3 3,138 23 7,668 6 2,039 32 12,845
29 5,450 4,020,703 1,875 1,834,032 2 691 23 8,748 9 2,285 34 11,724
30 7,985 8,991,936 5,028 5,968,794 2 668 70 10,026 52 12,177 124 22,871
18,626 17,192,931 7,531 8,557,850 7 4,497 116 26,442 67 16,501 190 47,440

 また、28、29年発生災害については、10,641工事82億余万円のうち2,503工事25億8千9百余万円の検査をあわせて実施したところ、右に述べたと同様に66工事につき工事費において2450余万円(うち実施の際設計変更予定のもの11工事570余万円)国庫負担金相当額1910余万円を減額是正することとなった。
 なお、右のほか査定の時と状況が変化したりまたは査定と関係なく別途に工事を施行済のため災害復旧工事として施行する要がないと判明したものを注意して減額是正させたものが34工事につき工事費において3130余万円国庫負担金相当額2千3百余万円ある。
 しかして、前記の是正されたもののうちおもなものをあげると次のとおりである。

(2131)  北海道上川郡下川町が施行する町道パンケ線上パンケ橋災害復旧は、査定額7,663,000円(国庫負担金6,130,400円)で延長64メートルの木橋を復旧することとしていたが、橋脚の水中床掘量1,498立米は214立米で足りるのにこれを橋脚一基分の土量と誤って橋脚の設計数により7倍したなどのため工事費1,415,000円(国庫負担金1,132,000円)が過大となっていた。

(2132)  山形県が施行する西田川郡温海町鼠ケ関川災害復旧は、査定額957,000円(国庫負担金661,287円)で護岸延長100メートルを鉄線蛇かごで復旧することとしていたが、右護岸のうち下流部50メートル工事費478,000円(国庫負担金330,298円)は建設省が同一箇所について査定した28年災害復旧護岸延長50メートルその査定額526,000円(国庫負担金369,252円)と重複して査定されていた。

(2133)  山口県が施行する光市国道徳山岩国線道路災害復旧は、査定額1,818,000円(国庫負担金1,212,606円)で道路延長74メートルの既設石垣に被覆コンクリート(天端幅40センチメートル)を施行することとしていたが、終点側17メートルその工事費391,000円(国庫負担金260,797円)は被災の事実が見受けられない。

(2134)  高知県が施行する高岡郡窪川町井細川災害復旧は、査定額1,986,000円(国庫負担金1,348,494円)で堤防延長88メートルを復旧することとし練積石垣は733.8平米を施行することとしていたが、353.8平米を施行すれば足りるもので工事費948,000円(国庫負担金643,692円)が過大となっていた。