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  • 昭和30年度|
  • 第3章 政府関係機関その他団体の会計|
  • 第2節 各団体別の不当事項|
  • 第2 日本国有鉄道|
  • 不当事項|
  • 物件

冷蔵庫の製作にあたり交付材料が過大であるため不経済と認められるもの


(2166)冷蔵庫の製作にあたり交付材料が過大であるため不経済と認められるもの

  日本国有鉄道資材局で、昭和29年12月から30年7月までの間に、随意契約により冷蔵車(レ12,000型)240両の製作を日本車両株式会社ほか4会社にステンレス鋼板合計13,908枚2分の1(511.13トン)価額254,538,208円を交付し総額396,629,675円で請け負わせているが、交付材料の所要量の算定が適切を欠いたため約540万円が不経済となっていると認められる。
 右は、冷蔵車の製作にあたり、ステンレス鋼板の所要量を1両当り「4.5×1,000×2,000ミリメートル」板1枚5分の4、「3.2×1,000×2,000ミリメートル」板3枚、「2.3×1,000×2,500ミリメートル」板23枚(ただし、190両については「2.3×1,000×2,000ミリメートル」板28枚4分の3)、「2.0×1,000×2,000ミリメートル」板25枚5分の3と算定し、240両分計13,908枚2分の1を板取りおよび溶接についてはとくに指示しないで交付したものであるが、交付数量を検討するに、

(ア) 4.5ミリメートル板(1枚当り34,435円)については、1両分1枚5分の4を要するものと算定し計432枚を交付しているが、廃材部分をできるだけ少なくするよう板取りすれば、1両分1枚5分の3計384枚を交付すれば足りた計算であって、48枚価額1,652,880円、

(イ) 2.0ミリメートル板(1枚当り15,800円)については、25枚5分の3を要するものと算定し計6,144枚を交付しているが、板取りにあたり氷投入口の部分は当然切り取るもので、この切取板は小部分品に充当することができるのにこれを全く考慮していない。いま、この切取板を活用し、その他板取りを適切にすれば、1両分24枚5分の3計5,904枚を交付すれば足りた計算であって、240枚価額3,792,000円
が過大に交付されたものと認められる。
 なお、前記支給数量511.13トンのうち、当局の板取方法により残材となる約31トン(評価額約310万円)は請負人の所有となるものとしているのにとくにこの評価をしていないが、ステンレス鋼のように発生材が高価なものについては価格計算上これを適正に処理する要があると認められる。