日本国有鉄道営業局で、昭和30年度中、各地方資材部をして東京鉄道管理局を除く管下各鉄道管理局等が30年3月31日現在手持ちしていた利用可能な旧様式の手小荷物切符合計68,782冊を廃冊処理させたため、約1,070万円の不経済をきたしているものがある。
右は、営業局で、29年5月運輸帳表類中手小荷物切符の様式を改正し、30年4月以降全面的に新様式切符に切り替えるとともに旧様式分合計68,782冊(購入価額10,781,272円)を廃冊処理させたものであって、本様式改正の主眼は落札事故防止のための紙質向上にあるものとしているが、主要駅における到着荷物の落札事故件数は逐年減少の傾向にあり、また、新旧両様式は内容的にほとんど差異がないもので、29年11月ごろから既に新旧両様式のものが支障なく混こう使用されていたものであるから、30年4月以降旧様式の残数を廃冊してまで新様式に切り替える要はなかったものと認められる。
なお、東京鉄道管理局管下関係箇所においては4月以降も旧様式のものも引続き使用している。