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  • 昭和30年度|
  • 第3章 政府関係機関その他団体の会計|
  • 第2節 各団体別の不当事項|
  • 第3 日本電信電話会社|
  • 不当事項|
  • 工事

工事の施行にあたり予定価格の積算当を得ないため不経済となっているもの


(2176)工事の施行にあたり予定価格の積算当を得ないため不経済となっているもの

 (款)建設改良費(項)局舎建設費

 日本電信電話公社東北電気通信局で、昭和30年1月、指名競争契約により豊国建設株式会社に折爪極超短波無線中継所道路新設その他工事を36,800,000円で請け負わせ7月完成しているが、予定価格の積算にあたり砂利運搬費の積算が適切でなかったため約580万円が高価となっている。

 右工事は、同極超短波無線中継所局舎への連絡用として幅員3.5メートルの道路613メートルを新設し、幅員3メートル既設道路6,525メートルを3.5メートルに拡幅するなど改修するものであるが、予定価格37,580,000円の積算内容についてみると、新設および既設の道路面に敷く砂利3,048立米はすべて折爪山ろくから人力で山上げ運搬するものとして運搬費を立米当り新設道路分6,552円、既設道路分3,181円と見込み、諸経費19%を含め総額13,836,720円を計上している。しかし、本件連絡道路のうち、既設道路の6,525メートルはその終点近くに公社の超短波施設があって従来から連絡用としてジープ等が運行していたものであり、また、既設道路から山頂にある同極超短波無線中継所までの新設道路613メートルについては、仕様書によれば造成した路盤を10トン以上の転圧力をもつ機械、器具を使用して転圧することとなっていて貨物自動車の通行は可能と認められるものであるから、予定価格の積算にあたっては人力運搬に比べ低価に当る車両運搬によって運搬費を計算すべきであったもので、現に請負人も車両によって運搬している実情である。

 いま、仮に砂利の全量を貨物自動車で山ろくから運搬するものとして計算すれば、運搬費は諸経賢19%を見込んでも7,254,240円となり、結局、本件請負価額は約580万円高価になる計算である。

 なお、砂利の単価も、当地方は砕石の産地であるのに砂利はすべて片道60キロメートルの地点から貨物自動車で運搬することとしているので、立米当り約290円は割高な積算となっている。