日本開発銀行の昭和30年度中の新規貸付実行額は552億7千9百余万円で、主として基礎産業部門に重点を置いて融資されたもので,これを業種別にみると,左のとおり
業種 | 件数 | 貸付実行額 | 比率 | |
電気業 | 件 81 |
百万円 27,628 |
% 50.0 |
|
運輸業 | 23 | 16,492 | 29.8 | |
(海運業) | (20) | (15,982) | (28.9) | |
鉱業 | 35 | 4,374 | 7.9 | |
(石炭鉱業) | (28) | (3,978) | (7.2) | |
機械工業 | 32 | 2,929 | 5.3 | |
化学工業 | 25 | 1,755 | 3.2 | |
金属工業 | 6 | 1,009 | 1.8 | |
(鉄鋼業) | (3) | (844) | (1.5) | |
水産業 | 4 | 230 | 0.4 | |
繊維工業 | 6 | 200 | 0.4 | |
その他 | 7 | 660 | 1.2 | |
計 | 219 | 55,279 | 100.0 |
で前年度の貸付実行額に比べ76億6千4百余万円の減少となっている。
貸付金債権の年度中回収額は、開発資金(日本開発銀行になってから貸し付けたもの)167億1千余万円、復金承継債権(復興金融金庫から承継したもの)70億4千4百余万円、見返承継債権(米国対日援助見返資金特別会計から承継したもの)68億3千余万円計305億8千4百余万円であり、また、年度末の貸付残高は開発資金2249億8千4百余万円、復金承継債権323億1千8百余万円、見返承継債権1319億8千1百余万円計3892億8千4百余万円であって、このうち滞貸となっているものは開発資金34億6千6百余万円、復金承継債権67億4千3百余万円、見返承継債権8億9千4百余万円計111億4百余万円で、前記年度末貸付残高に対し2.85%の割合となっている。
なお、年度末において債権を償却したものは55件5億1千3百余万円である。
30年度においては、30年8月以降、貸付基準利率を従来の年1割から9分に引き下げたが、なお126億7千余万円の利益をあげ、年度末貸付残高の1000分の7相当額27億2千4百余万円を法定準備金として積み立て、残額99億4千5百余万円を国庫に納付(うち19億4千1百余万円は31年度に納付)した。30年度中の手持資金は平均78億5千2百余万円、年度末186億7千3百余万円で、前年度の平均41億余万円、年度末113億4百余万円に比べ著しく増加しているが、これは元利金の回収が予定以上にあったことなどによるものである。