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  • 昭和31年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第1 総理府|
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  • 物件

ローラーコンベアーの検収にあたり処置当を得ないもの


(11) ローラーコンベアーの検収にあたり処置当を得ないもの

(昭和29年度)(組織)防衛庁(項)保安庁
(昭和30年度)(組織)防衛庁(項)防衛庁

 防衛庁調達実施本部で、陸上幕僚監部の要求により、昭和29年6月から31年2月までの間に、指名競争契約または一般競争契約により萱場工業株式会社ほか2会社からローラーコンベアー等を総額50,112,302円で購入しているが、そのうちローラーコンベアー(価額29,169,762円相当分)について検収処置当を得ないためローラー部分の使用材料が仕様書の指定に適合していないものがあると認められる。
 右ローラーコンベアーは、倉庫等に配置してこん包類の手動移送に使用するもので、フレームにベアリング付のローラーを取り付けたものであり、ローラー部分に使用する鋼管の規格は一般市販品や航空幕僚監部等では電縫鋼管が使用されているのに、当局は、その取扱物が2,500キログラムまでの重量物であり野外におけるか酷な使用を考慮してとくにJIS規格ST44の継目無鋼管を使用することとしたというものである。
 しかし、本件納入品について、32年8月、会計実地検査の際一部の材質検査を実施したところ、抗張力または伸びの点でST44の規格に適合していないものと認められ、さらに、当局において検査を実施したものも同様の結果であって、価格において規格品を相当下回る再圧延品程度のものと認められた。本品は普通電縫鋼管を使用するものであるのに電機鋼管製に比べて約400万円高価となるST44製をとくに指定したものであるから、検収には十分慎重を期すべきであると認められるのに、当局は目視検査と納入会社が提出した材料証明とを確認しただけで検収を了しているが、ST44はすべて製造会社の材料証明付で一般に販売されているものであるのに本件についてはその材料証明も提出されておらず、また、仕様書に規定する材質検査を行うことなく検収を了したのは処置当を得ない。