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  • 昭和31年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第1 総理府|
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  • (一般会計)|
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  • 役務

車両整備の実施にあたり処置当を得ないもの


(12) 車両整備の実施にあたり処置当を得ないもの

(組織)防衛庁(項)防衛庁

 陸上自衛隊武器補給処で、陸上幕僚監部の指示により、昭和31年8月から32年3月までの間に、随意契約により三菱日本重工業株式会社に装軌車両の第5段階整備を請け負わせ、軽特車等計26両と装軌車のエンジン等の組部品155組を北海道地区から東京都所在の同会社工場に回送し、この輸送費として日本国有鉄道等に対し陸上幕僚監部および北部方面総監部で5,742,666円を支払っているが、現地で十分整備することができるものであり輸送費約373万円が不経済となっている。
 右整備は、31年6月決定された車両の再生(第5段階整備)実施要領に基いて同会社に実施させたものであるが、北海道地区には在日米国軍の装軌車類整備の経験を有する工場があり、陸上自衛隊においても31年3月までは現地所在の工場に実施させていたものである。しかして、本件整備は従来の整備に比べて工場設備の改善および多少高度の技術を必要とするものであるが、契約前の北部方面総監部の調査によるも、現地所在の工場の能力はこの程度の整備をすることは十分可能であったものと認められるのに、とくに31年度にいたり東京で整備することとし、主として製造事業を営む同会社の工場にその製品でもないものを大量に整備させたことは当を得ない。現に、8月にいたり前記実施要領を改正し、外注整備工場として現地所在工場を追加指定している状況である。
 なお、整備のため同工場に搬入されたエンジン等の組部品317組(北海道地区以外の分を含む。)のうち31年度中に整備が完成したものはわずかに97組であって、220組は32年8月現在まだ完成していない。