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  • 昭和31年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第5 厚生省|
  • (厚生保険特別会計)|
  • 不当事項|
  • 保険

保険給付の適正を欠いたもの


(252)−(279) 保険給付の適正を欠いたもの

(健康勘定) (項)保険給付費

 政府管掌健康保険事業において、長期疾病に対する療養の給付が正当な被保険者および被扶養者になされているか、その給付内容は適正であるか、また、傷病手当金等の現金給付は適正であるかどうかを検討するため、北海道ほか28都府県の20保険課および72社会保険出張所管内において、国立療養所等で昭和31年4月1日以降入院加療を受けた被保険者および被扶養者26,795人について個別に調査を実施した。その結果保険給付の適正を欠くと認められるものは鳥取県を除き28都道府県に見受けられ、32年9月までに給付したものをあげると、

(ア) 使用関係があるように装い被保険者資格を取得して受診したり、被保険者であった者が資格喪失後受診したりするなど被保険者と認められない者に対して給付したもの 142人 21,062,063円、

(イ) 法定給付期間の3年を経過した後引続き受診した者や業務上の疾病について受診した者等に対し給付したもの 27人 1,434,534円、

(ウ) 事業所から報酬を受けている者に対して傷病手当金等を給付したもの 267人 1,876,448円計436人24,373,585円に上っている。

 このような事態については、従来から注意を喚起してきたところであり、その後各保険課および社会保険出張所において社会保険診療報酬支払基金から回付された診療報酬請求明細書に対する審査を強化し、長期疾病に対する給付記録票を作成するなど当局の努力はうかがわれるが、なお被保険者資格取得および喪失についての適否の確認、保険医療機関との連絡が十分に行われていないと認められる。
 前記不適正給付額を都道府県ごとに集計すると左のとおり28件である。

 

都道府県名

保険課および社会保険出張所数

調査人員

保険給付の適正を欠いたもの

人員 金額
(252) 北海道 7
1,623

53

1,882,125
(253) 宮城県 2 1,722 13 982,246
(254) 山形県 1 226 7 1,651,825
(255) 栃木県 1 485 10 288,965
(256) 埼玉県 2 121 4 276,364
(257) 千葉県 1 274 7 418,018
(258) 東京都 16 2,772 72 4,122,055
(259) 神奈川県 5 607 9 759,158
(260) 富山県 2 1,131 4 252,289
(261) 石川県 1 785 36 76,540
(262) 福井県 1 123 5 51,388
(263) 山梨県 1 137 5 14,155
(264) 愛知県 8 1,695 7 692,164
(265) 京都府 3 1,866 12 2,375,896
(266) 大阪府 12 2,511 13 2,177,603
(267) 兵庫県 5 1,064 79 814,660
(268) 島根県 1 529 2 448,107
(269) 広島県 4 1,016 23 318,719
(270) 山口県 3 1,375 22 2,572,916
(271) 徳島県 1 1,150 13 370,863
(272) 香川県 1 2,374 5 377,326
(273) 愛媛県 2 472 3 730,027
(274) 高知県 1 425 4 328,332
(275) 福岡県 6 143 2 205,475
(276) 熊本県 1 435 4 573,837
(277) 大分県 1 942 6 608,218
(278) 宮崎県 1 239 10 427,898
(279) 鹿児島県 1 287 6 576,416
 

91 26,529 436 24,373,585