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  • 昭和31年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第6 農林省|
  • (一般会計)|
  • 不当事項|
  • 補助金

公共事業国庫補助工事の計画が当を得ないもの


(746)−(747)公共事業国庫補助工事の計画が当を得ないもの

(組織)農林本省 (項)土地改良事業費 ほか1科目

 地方公共団体である北海道または福島県が国庫補助金の交付を受けて施行した土地改良工事において、工事の施行にあたり、計画が当を得なかったため不経済な結果となっているものが、左のとおり2件ある。

(746)  北海道が昭和30、31両年度に施行した空知郡富良野町ほか1村地区道営軌道客土事業は、工事費76,751,559円(国庫補助金46,051,000円うち30年度分23,322,000円)で客土99,190立米を施行したものであるが、機械の使用計画が当を得なかったため1,957,298円(国庫補助金1,174,378円)が不経済となっている。
 右工事は、20トン上掘式エキスカベーター1台および人力により水田327町2反に客土99,190立米を施行するものであるが、その土取場は石英粗面岩交りの硬粘土で機械の使用に適しないため、1時間当り掘さく積込量50立米の公称能力に対し実際はその5分の1程度しか施行することができず、しかも、機械による客土の積込費は修繕料その他の経費を含め立米当り30年度244円51、31年度154円70となり、人力積込の分30年度114円41、31年度117円62に比べてそれぞれ高価となっており、両年度を通じ1,957,298円(国庫補助金1,174,378円)が不経済となっている。

(747)  福島県が施行した県営喜多方地区かんがい排水事業は、工事費333,496,242円(国庫補助金166,748,141円うち31年度分8,619,456円)で土えん堤延長170メートル、導水路延長2,492メートル等を新設するもので、昭和15年4月着工し、32年3月完成したものであるが、同月、貯水試験を行い計画貯水量934,000立米の約70%を貯水したところ、伏ひずい道の入口側底張部分が水圧によって破損し、これから一時に多量の水が流出したため底ひ入口と吐出口側の部分に被害を生じ、これが補修に12,000,000円(国庫補助金6,000,000円)を要する結果となっている。
 右伏ひずい道は、17年にため池の仮排水路として使用するため新設したものをそのまま伏ひとして使用したものであるが、そのずい道は厚さ20センチメートルのコンクリートで巻き立てた程度のものであるばかりでなく、ずい道入口の基礎地盤は風化して一部は粘土化しているような軟弱な岩盤であるから、工事施行後10数年を経過してから伏ひとして使用するにあたっては基礎地盤についても十分調査して補強工事を実施すべきであったと認められるのに、そのまま使用したため基礎の風化、き裂した部分に水が浸透し、水圧が加わってずい道の一部を破壊するような事態を生じたもので、工事の計画が当を得なかったことによるものと認められる。