ページトップ
  • 昭和31年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第7 通商産業省|
  • (一般会計)|
  • 不当事項|
  • 補助金

中小企業協同組合共同施設等補助金の経理当を得ないもの


(912)−(917) 中小企業協同組合共同施設等補助金の経理当を得ないもの

(組織)中小企業庁 (項)中小企業対策費

 中小企業協同組合共同施設等補助金は、中小企業の振興をはかることを目的とし、中小企業等協同組合の施設費および中小企業者の経営合理化のための設備費に補助を行う道府県に対し交付されてきたが、昭和31年5月、中小企業振興資金助成法(昭和31年法律第115号)の制定施行に伴い、これら施設および設備の設置に必要な資金の貸付を行う都道府県に交付することとなり、道府県においては特別会計を設け自己資金およびこれと同額以内の国庫補助金を貸付財源に充て、5年以内に償還することを建前として無利子で貸付事業を行なっているものである。しかして、全国8通商産業局では、31年度中、北海道ほか44府県に対し国庫補助金440,000,000円を交付しているが、本院において北海道ほか32府県における資金の貸付1,433事項818,658,000円これに対する国庫補助金408,565,000円のうち619事項392,829,000円これに対する国庫補助金193,619,500円について貸付の当否および貸付金の使用状況を調査したところ、計画どおりの設備を設置していなかったり、貸付の対象とはならない設備を設置していたり、または実際の設備を申請額より低額で設置しているなど資金の使用当を得ずひいて国庫補助金が所期の目的に反して使用されたと認められるものが東京ほか4通商産業局において32事項7,733,000円これに対する国庫補助金相当額3,776,500円ある。

 右のほか、旧登録織機を廃棄することとして織機の設置費に対し貸付を受けながらこれを廃棄していなかったものが6事項貸付金額4,696,000円これに対する国庫補助金相当額2,348,000円、設備を購入していないのにこれを購入したとし、または貸付の対象とはならない設備を設置していながら貸付対象の設備を設置したとして貸し付けることとしていたものが3事項貸付金額1,420,000円これに対する国庫補助金相当額710,000円あったのでそれぞれ是正させた。

 いま、資金の使用当を得ず国庫補助金が所期の目的に使用されていないと認められるもののうち国庫補助金相当額1事項20万円以上のものをあげると左のとおり6件2,131,500円である。

通商産業局 府県名 貸付先 貸付対象 事業費
(右に対する貸付額)
同上に対する国庫補助金 不当事業費(右に対する貸付相当額) 同上に対する国庫補助金相当額
(912) 東京 埼玉県 秩父市今井某 力織機15台
3,000,000
(1,000,000)

500,000

1,600,000
(533,000)

266,500
(不設置)
(913) 名古屋 岐阜〃 鈴博織物合名会社 力織機3台 1,200,000
(400,000)
200,000 1,200,000
(400,000)
200,000 (同)
(914) 大阪 大阪府 大阪鋳鍛造機株式会社 鍛造プレス機 1,500,000
(500,000)
250,000 1,500,000
(500,000)
250,000 (対象外)
(915)  同  同 タクボ工業株式会社 ターレット旋盤 2,650,000
(883,000)
441,500 1,200,000
(400,000)
200,000 (低額設置)
(916) 広島 岡山県 児島染工有限会社 ショートループドライヤー 6,000,000
(2,000,000)
1,000,000 6,000,000
(2,000,000)
1,000,000 (不設置)
(917) 四国 愛媛〃 有限会社四国製作所 バーティカルミーリングほか1点 1,290,000
(430,000)
215,000 1,290,000
(430,000)
215,000 不設置
対象外
15,640,000
(5,213,000)
2,606,500 12,790,000
(4,263,000)
2,131,500