(一般会計)
昭和31年度歳出決算総額は269億4千6百余万円となっているが、32年中に実施した検査においては、従来と同様、88億3千5百余万円に達する港湾工事の経理および施行の適否に重点を置き直轄工事ならびに地方公共団体等が施行する改修および災害復旧工事についてこれを施行した。
地方公共団体等が施行した港湾工事に対する検査の結果、不当事項として指摘したものは、国庫補助を除外すべき額1工事10万円以上のものが14件3百余万円であって、前年と同様、従来に比べて改善の跡が見受けられた。
また、工事完成前に査定の内容を検査し是正を促すため、工事完成後の検査の際あわせて31年発生災害について早期に検査を行なったところ、同様改善の跡が見受けられたが、なお、運輸省において本院の注意により工事費において3百余万円を減額是正することとなった。
昭和30年度決算検査報告で指摘した不当工事のうち、国庫補助を除外すべき額1工事20万円以上のものは10件で、そのうち当局において国庫補助を返還または減額することとしたものは4件、この処理に代えて手直しすることとしたものは6件である。
右のうち国庫補助を返還または減額することとしたもの4件および昭和29年度決算検査報告に掲記したもののうち国庫補助を返還または減額することとしたもので31年9月末現在処理未済となっていた1件については32年6月末現在処理済となっている。
また、手直しすることとしたもののうち、愛知ほか4県内の昭和30年度決算検査報告掲記の分5箇所、昭和29年度決算検査報告掲記の分2箇所につきその施行状況を32年4月から6月までの間に現地について検査したところ、30年度分については、工事が完成していたものは4箇所であり、1箇所は工事中であった。また、29年度分については全部工事が完成していた。
なお、右のうち32年4月検査当時工事中であった1箇所は32年6月工事を完成した旨の報告があった。