昭和31年度の損益の状況は、利益の部、保険料収入等400億6千6百余万円、損失の部、保険金等271億7千8百余万円で、差引128億8千7百余万円の利益となっており、30年度が39億2千8百余万円の利益であったのに比べ、保険経済は著しく好転している。したがって、年度末における繰越利益316億4千9百余万円に前記当年度分の利益を加えた445億3千7百余万円を翌年度に繰り越している。
このような利益をきたしたおもな原因は、30年度に比べ、保険料収入等で、賃金の上昇、被保険者数の増加等により22億6千6百余万円(約6%)が増加となっているのに対し、保険金等で、31年11月1日から保険金額が改正増加されたにもかかわらず、経済界の好況に伴う失業者の減少により保険金受給実人員が月平均で一般失業保険においては12万2千余人(約28%)、日雇失業保険においては1万8千余人(約14%)それぞれ減少したことなどのため66億9千2百余万円(約20%)の減少をきたしたことによるものである。
また、貸借対照表における未収金25億2千7百余万円のうちには、29年度以前の分が10億3千8百余万円含まれており、このうちには不納欠損のおそれがあると認められるものがあるから留意を要するところである。