(項)保険金
失業保険事業における保険給付の適正を欠いた事例については昭和29年度以降の検査報告に掲記して適正をはかるよう注意してきたところであるが、32年においても、約34万人に達している一般失業保険の保険金受給者に対する給付の状況につき、全国671箇所の公共職業安定所等のうち札幌公共職業安定所ほか360箇所で、再就職した者55,154人についてその適否を実地に調査したところ、失業保険金受給者で再就職したのにその届出を怠ったものに対し、再就職した事業所から提出される被保険者資格取得届を活用するなど十分な調査を行わないでそのまま給付したため、32年9月までの間に給付された保険給付のうち適正を欠いているものが札幌公共職業安定所ほか268箇所において2,010人26,132,907円ある。保険給付の適正化については、労働省においても不正受給調査機構を強化するため31年6月から失業保険給付調査官を設置するなど改善の処置を講じているが、なお今後一層努力の要がある。
右保険給付の適正を欠いたものを都道府県ごとに集計すると左のとおり30件である。
都道府県名 |
公共職業安定所 (出張所、分室を含む。) |
受給者調査人員 | 保険給付の適正を欠いたもの | ||
人員 | 金額 | ||||
(1022) | 北海道 | 札幌ほか16箇所 | 人 8,885 |
人 144 |
円 939,585 |
(1023) | 宮城県 | 仙台ほか3箇所 | 338 | 20 | 104,885 |
(1024) | 山形〃 | 山形ほか6箇所 | 520 | 11 | 54,050 |
(1025) | 茨城県 | 水戸ほか7箇所 | 197 | 10 | 147,155 |
(1026) | 埼玉〃 | 川口ほか11箇所 | 1,712 | 56 | 746,240 |
(1027) | 千葉〃 | 千葉ほか7箇所 | 350 | 14 | 98,330 |
(1028) | 東京都 | 飯田橋ほか15箇所 | 8,107 | 371 | 7,078,875 |
(1029) | 神奈川県 | 横浜ほか11箇所 | 2,887 | 98 | 1,714,615 |
(1030) | 新潟〃 | 新潟ほか15箇所 | 3,175 | 77 | 207,235 |
(1031) | 石川〃 | 金沢ほか4箇所 | 395 | 21 | 68,415 |
(1032) | 福井〃 | 福井ほか4箇所 | 864 | 31 | 288,015 |
(1033) | 山梨〃 | 甲府ほか6箇所 | 860 | 22 | 175,040 |
(1034) | 静岡〃 | 静岡ほか13箇所 | 942 | 102 | 996,115 |
(1035) | 愛知〃 | 名古屋中ほか13箇所 | 1,225 | 96 | 702,000 |
(1036) | 三重〃 | 四日市ほか4箇所 | 197 | 21 | 260,160 |
(1037) | 滋賀〃 | 大津ほか3箇所 | 367 | 11 | 44,915 |
(1038) | 京都府 | 京都西陣ほか8箇所 | 1,322 | 56 | 610,340 |
(1039) | 大阪〃 | 大阪城東ほか15箇所 | 7,840 | 430 | 6,870,675 |
(1040) | 兵庫県 | 神戸ほか13箇所 | 3,891 | 125 | 1,430,510 |
(1041) | 奈良〃 | 奈良ほか3箇所 | 145 | 14 | 245,700 |
(1042) | 和歌山〃 | 和歌山ほか6箇所 | 422 | 53 | 662,512 |
(1043) | 広島〃 | 広島ほか6箇所 | 661 | 33 | 322,340 |
(1044) | 山口〃 | 山口ほか10箇所 | 1,658 | 37 | 401,410 |
(1045) | 徳島〃 | 徳島ほか3箇所 | 192 | 14 | 272,930 |
(1046) | 愛媛〃 | 松山ほか3箇所 | 66 | 6 | 28,805 |
(1047) | 福岡〃 | 福岡ほか14箇所 | 840 | 74 | 1,264,395 |
(1048) | 佐賀〃 | 佐賀ほか5箇所 | 273 | 14 | 123,860 |
(1049) | 長崎〃 | 長崎ほか3箇所 | 284 | 12 | 63,230 |
(1050) | 宮崎〃 | 宮崎ほか5箇所 | 70 | 13 | 117,235 |
(1051) | 鹿児島〃 | 鹿児島ほか7箇所 | 424 | 24 | 93,335 |
計 |
49,109 | 2,010 | 26,132,907 |