昭和31年12月から32年11月までの間に、出納職員が現金または物品を亡失き損した事実(物品については、32年1月9日までのもの)について所管庁から報告を受理し処理を要するものは、繰越分を含め6,912件468,213,030円で、これに対し弁償責任の有無の検定等の処理をしたものは、2,216件259,643,332円で、その所管別内訳は左のとおりである。
なお、処理未済件数は4,696件208,569,698円で、その大部分は所管庁との間に照会中の案件である。
所管 | 報告受理 | 処理済 | ||||||||
有責任 | 無責任 | その他 | 計 | |||||||
裁判所 |
件 6 |
千円 5,345 |
件 1 |
千円 399 |
件 1 |
千円 172 |
件 | 千円 | 件 2 |
千円 571 |
総理府 | 5,897 | 58,922 | 1,336 | 14,284 | 1,336 | 14,284 | ||||
法務省 | 18 | 33,947 | 8 | 588 | 8 | 588 | ||||
大蔵省 | 74 | 18,290 | 9 | 2,897 | 41 | 4,203 | 3 | 425 | 53 | 7,526 |
文部省 | 16 | 5,160 | 12 | 3,274 | 12 | 3,274 | ||||
厚生省 | 11 | 4,672 | 2 | 782 | 8 | 3,191 | 1 | 698 | 11 | 4,672 |
農林省 | 271 | 238,675 | 245 | 166,661 | 1 | 0 | 246 | 166,661 | ||
通商産業省 | 3 | 504 | 3 | 504 | 3 | 504 | ||||
運輸省 | 37 | 6,073 | 36 | 5,670 | 36 | 5,670 | ||||
郵政省 | 429 | 70,625 | 35 | 15,195 | 316 | 16,434 | 9 | 336 | 360 | 31,966 |
労働省 | 12 | 11,969 | 1 | 1,176 | 10 | 10,695 | 1 | 97 | 12 | 11,969 |
建設省 | 138 | 14,024 | 137 | 11,952 | 137 | 11,952 | ||||
計 |
6,912 | 468,213 | 48 | 20,450 | 2,153 | 237,634 | 15 | 1,558 | 2,216 | 259,643 |
備考 「その他」の欄の15件1,558千円は、日本国との平和条約の効力発生に伴う予算執行職員等の弁償責任の減免に関する政令(昭和27年政令第131号)の施行により、弁償責任に基く債務の免除されるものに該当するため、検定の手続をとるにいたらなかったものである。
前表の有責任と検定した48件は、いずれも現金の亡失に対するもので、その内訳は、出納職員の犯罪行為によるもの38件17,506,327円、出納職員が善良な管理者の注意を怠ったことによるもの10件2,943,765円である。
現金については、大蔵省における収入金、郵政省における繰替払現金について部内職員の犯罪行為によるものが目立つ状況である。
物品については、有責任と検定したものはないが、総理府において防衛庁の供用物品の亡失き損件数が著しく多いほか、農林省における食糧、郵政省における切手類および供用物品、建設省における資材等の亡失き損が依然として多く、その原因のおもなものは、盗難、火災、風水害等で、その処置、対策については各庁関係責任者に対しとくに注意を促している。