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  • 昭和31年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各団体別の不当事項|
  • 第3 日本電信電話公社|
  • 不当事項|
  • 工事

工事の施行にあたり設計が当を得ないため不経済となっているもの


(1122)−(1123) 工事の施行にあたり設計が当を得ないため不経済となっているもの

(項)電信電話施設費

(1122)  日本電信電話公社九州電気通信局で、昭和31年10月、随意契約により日本通信建設株式会社に工事費75,850,000円(ほかに支給材料100,640,983円62)で請け負わせ施行した八幡局改式工事のうち、工事費約5467万円で地下管路敷設工事を実施しているが、設計が当を得なかったため不必要な管路2条を敷設し約430万円が不経済となっている。
 右は、八幡局改式に伴う地下ケーブルおよび将来終局期までの増加予定の市内ケーブル1条を収容する目的で敷設した地下管路のうち、G18号マンホールからG33号マンホールに至る1,479.6メートルの区間については、このほかに本管路と同一路線に直埋で敷設されている苅田、福岡間無装荷54対ケーブルを道路が舗装された場合に本件管路に移設するものとしてさらに2条を見込み6条または7条管路として敷設したものである。
 しかし、本区間の前記無装荷ケーブルは、本件工事の設計当時作成されていた市外線路経過図にもあるとおり、終戦後都市計画により拡張された幅員18メートル道路の歩道部分に敷設されているのであるから、舗装による移設を必要とする条件はなく、仮に引替を必要とする事態が発生したとしても、歩道部分であるから容易に引替工事を実施することができるものである。
 いま、仮に本件工事の管路条数を終局期までの必要条数4条または5条として敷設したとすれば、その工事費は約430万円節減することができたものである。

(1123)  日本電信電話公社東北電気通信局で、昭和31年3月、指名競争契約により東北通信建設株式会社に工事費20,100,000円(ほかに支給材料80,848,850円)で請け負わせ施行した仙台、石巻間市外電話ケーブル施設工事のうち、工事費約620万円をもって施行したケーブル移設工事は、設計当を得ないため約430万円が不経済となっている。
 右移設工事は、宮城県桃生郡矢本町地内のL20C点からL22B2 点間4,195メートルの54対地下ケーブルが埋設してあった国道に並行して新国道が出来たため、旧国道は将来廃道になるおそれがあるとの予想からこれを撤去してこの新国道路線と並行している既設裸線路に同対数の架空ケーブルとして移設したものであるが、旧国道は地元の矢本町がこれを全区間町道として使用することを希望し、道路管理者もこれを道路として使用する条件で同町に貸し付ける意向を有し、引続き道路として存続される事情にあったものと認められるのに、これら現地の状況を調査検討しないで移設したのは妥当な処置とは認められない。
 もし右移設工事を実施しないとすれば、本件工事によって撤去されたケーブルの再用価格約182万円を差し引いてもなお約430万円の工事費は節減することができたものである。