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  • 昭和31年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各団体別の不当事項

住宅金融公庫


第5 住宅金融公庫

 住宅金融公庫の昭和31年度中の新規貸付実行額は237億4千余万円で、これから回収額71億5千4百余万円および滞貸償却額28万円を差し引いた年間純増加額は165億8千5百余万円に上り、年度末貸付残高は1513億9千9百余万円であって、このうち元金の延滞が6箇月以上のものは2千1百余万円(うち1年以上延滞のもの1千1百余万円)である。

 31年度において住宅建設資金の貸付契約を締結した額は、個人住宅2万8千余戸、賃貸住宅4千余戸、分譲住宅1万1千余戸、産業労働者住宅9千余戸、増築2万1千余戸計7万6千余戸分および宅地造成27万2千余坪分257億1千8百余万円であって、同年度に実行すべき計画額住宅7万9千余戸分および宅地造成20万坪分285億1千余万円に比べて27億9200万円下回っているが、これは、主として個人住宅貸付および分譲住宅貸付が計画どおり行われなかったことによるものである。

 31年度末の手持資金残高は81億2百余万円に上り、31年度中の資金交付計画額296億4百余万円の27%に相当しているが、これは、貸付契約が計画どおり執行されなかったため資金の交付が遅れたことなどによるものであって、住宅資金の効率的運用の面からもなお一層貸付業務の円滑な遂行が望まれる。

 住宅融資保険は、年度内に金融機関を相手方として46億9400万円を限度とした保険契約を締結したが、これに基き金融機関が住宅融資を行なったものについて同公庫に付保した額は9億4千2百余万円にすぎない。

 31年度においては、貸付業務では一応8億6千3百余万円の利益をあげたが、これを全額滞貸償却引当金等に繰り入れたため国庫に納付すべき利益金はなかった。

 また、住宅融資保険業務では1千3百余万円の利益をあげたが、これを全額住宅融資保険特別勘定の積立金として積み立てた。