北海道開発公庫は、北海道における産業の振興開発に必要な長期資金を供給することなどにより、民間の投資および一般の金融機関が行う金融を補完しまたは奨励することを目的として、昭和31年6月8日設立されたもので、31年度中政府出資金10億円、資金運用部からの借入金30億円、北海道開発債券の発行40億円計80億円を原資として、79億円の出資または貸付を行う事業計画に対し79億4千7百余万円の出資または貸付を承諾したが、実行額は出資6000万円、設備資金貸付45億9百余万円、運転資金貸付3600万円計46億5百余万円にすぎなかったので北海道開発債券の発行は6億円にとどまった。
右実行額を業種別にみると、左のとおり
件数 | 金額 | |
石炭、または可燃性天然ガスの利用度の高い工業 | 件 4 |
百万円 387 |
農林畜水産物の加工度の高い工業 | 13 | 866 |
鉱業および製錬業 | 2 | 133 |
産業の振興開発にかかる交通運輸業 | 11 | 618 |
その他主務大臣の指定した業種 | 14 | 2,601 |
計 | 44 | 4,605 |
である。
31年度においては、一応1千3百余万円の利益をあげたが、これを全額滞貸償却引当金等に繰り入れたため国庫に納付ずべき利益金はなかった。
なお、出資または貸付の状況をみると、設備資金貸付において他の政府関係機関が貸付対象としたものに重複して貸し付けているもの、一般の金融機関から調達済のものに貸し付けているものなどがあり、審査が必ずしも十分でない点が見受けられるので改善の要があると認められる。