(組織)厚生本省 (項)保健所費 ほか4科目
(1) 保健所、伝染病等予防事業に対する国庫補助金の経理当を得ないもの
(179)−(189) 公衆衛生関係国庫補助金についての検査は、昭和34年中、保健所法(昭和22年法律第101号)、結核予防法(昭和26年法律第96号)および伝染病予防法(明治30年法律第36号)に基づく事業を中心として、その経理の実態に関し北海道ほか34都府県について精算状況を調査したところ、国庫補助基本額のうちに厚生省で定めた補助金の交付基準で認めていない経費を含めていたなどのため補助金が過大に交付されていて返納を要するものが宮城県ほか16都県(注) において20事項8,084,880円あり、そのうち1事項20万円以上のものをあげると左のとおり11件6,814,556円である。
(注) 左に掲記した都県のほか宮城、山形、福島、群馬、埼玉、奈良、大分各県
(1) 保健所費補助金
| 都県名 | 補助団体 | 事業 年度 | 国庫補助基本額 | 国庫補助金交付済額 | 国庫補助基本額から控除すべき額 | 国庫補助金交付済額中返納を要する額 | 摘要 | |
| (179) | 東京都 | 東京都 | 32 | 円 505,669,603 | 円 169,453,676 | 円 6,988,800 | 円 2,329,600 | 補助対象外の薬事監視員の人件費、旅費を含めていたもの | 
| (180) | 岐阜県 | 岐阜県 | 〃 | 73,060,862 | 25,090,000 | 832,336 | 277,445 | 補助対象外の食品衛生監視員の人件費、旅費を含めていたもの | 
| (181) | 宮崎〃 | 宮崎〃 | 〃 | 72,457,585 | 24,149,496 | 901,338 | 297,414 | 同 | 
| 計 | 651,188,050 | 218,693,172 | 8,722,474 | 2,904,459 | 
(2) 結核予防費補助金
| 県名 | 補助団体 | 事業 年度 | 国庫補助基本額 | 国庫補助金交付済額 | 国庫補助基本額から控除すべき額 | 国庫補助金交付済額中返納を要する額 | 摘要 | |
| (182) | 栃木県 | 栃木県 | 32 | 円 72,576,044 | 円 36,333,000 | 円 560,800 | 円 280,400 | 健康診断および予防接種に要した経費の算定を誤り補助対象外の経費を含めていたもの | 
| (183) | 新潟〃 | 新潟〃 | 〃 | 108,534,947 | 54,312,241 | 457,132 | 228,566 | 同 | 
| (184) | 富山〃 | 富山〃 | 〃 | 53,258,362 | 26,693,000 | 437,207 | 218,604 | 同 | 
| 計 | 234,369,353 | 117,338,241 | 1,455,139 | 727,570 | 
(3) 法定伝染病予防費補助金
| 都県名 | 補助団体 | 事業 年度 | 国庫補助基本額 | 国庫補助金交付済額 | 国庫補助基本額から控除すべき額 | 国庫補助金交付済額中返納を要する額 | 摘要 | |
| (185) | 東京都 | 東京都 | 32 | 円 154,661,621 | 円 77,330,810 | 円 3,457,229 | 円 1,728,614 | 職員数を誤り伝染病院費を過大に計上するなど補助対象外の経費を含めたり事業収入の一部を脱漏したりしていたもの | 
| (186) | 神奈川県 | 神奈川県 | 〃 | 43,582,397 | 21,791,198 | 832,700 | 416,350 | 職員数を誤り伝染病院費を過大に計上するなど補助対象外の経費を含めていたもの | 
| (187) | 福井〃 | 福井〃 | 〃 | 9,925,215 | 5,080,000 | 675,598 | 337,799 | 医療費を過大に計上するなど補助対象外の経費を含めていたもの | 
| (188) | 愛知〃 | 愛知〃 | 〃 | 70,138,595 | 35,142,688 | 802,421 | 401,210 | 自動車燃料費を過大に計上するなど補助対象外の経費を含めていたもの | 
| (189) | 高知〃 | 高知〃 | 〃 | 15,006,532 | 7,503,266 | 597,108 | 298,554 | 医療費を過大に計上するなど補助対象外の経費を含めたり事業収入の一部を脱漏したりしていたもの | 
| 計 | 293,314,360 | 146,847,962 | 6,365,056 | 3,182,527 | 
(2) 簡易水道施設費補助金等の経理当を得ないもの
(190)−(194) 昭和31、32、33各年度において市町村が事業主体となって施行した簡易水道施設およびし尿処理施設に対する国庫補助金の経理に関し、北海道ほか34都府県について検査したところ、設計どおりの工事をしなかったため補助の目的を達していなかったり、工事の設計が過大となっていたりまたは事業に伴う収入を補助基本額から控除していなかったりしているなどのため国庫補助金が過大に交付されているものが茨城ほか4県(注) において7事頂3,098,487円あり、そのうち1事項20万円以上のものをあげると左のとおり5件2,861,596円である。
(注) 茨城、山梨、岐阜、三重、鹿児島各県
| 県名 | 工事名 | 事業主体 | 工事費 | 国庫補助基本額 | 同上に対する国庫補助金 | 補助工事費から除外すべき額 | 同上に対する国庫補助金 | |
| (190) | 茨城県 | 久慈郡大子町大子地区簡易水道新設事業 | 大子町 | 円 26,700,000 | 円 26,100,000 | 円 6,525,000 | 円 915,326 | 円 228,831 | 
| 配水管布設にあたり、石綿セメント管等で延長5,315メートルを施行したこととしているが、実際は4,576メートルを施行すれば足り工事費915,326円相当額が過大な設計となっている。 | ||||||||
| (191) | 同 | 北相馬郡利根町文間東文間地区簡易水道新設事業 | 利根町 | 25,000,000 | 25,000,000 | 6,250,000 | 1,178,429 | 294,607 | 
| 配水管布設にあたり、石綿セメント管等で延長17,924メートルを施行したこととしているが、実際は17,078メートルを施行すれば足り工事費678,479円相当額が過大な設計となっており、また、道路復旧延長13,370メートルを施行したこととしているが、実際は10,037メートルを施行したにすぎず工事費499,950円相当額が出来高不足となっている。 | ||||||||
| (192) | 同 | 北相馬郡利根町布川地区簡易水道新設事業 | 利根町 | 17,800,000 | 15,200,000 | 3,800,000 | 1,236,633 | 309,158 | 
| 配水管布設にあたり、石綿セメント管等で延長13,005メートルを施行したこととしているが、実際は11,419メートルを施行すれば足り工事費1,236,633円相当額が過大な設計となっている。 | ||||||||
| (193) | 山梨県 | 北巨摩郡長坂町大八田地区簡易水道新設事業 | 長坂町 | 7,080,000 | 7,080,000 | 1,770,000 | 7,080,000 | 1,770,000 | 
| 計画給水人口1,340人を対象とする水道工事を施行したものであるが、配水管布設にあたり、計画幹線延長3,005メートルのうち1,740メートルの区間は1,125メートルを仮伏せで施行したばかりでなく、そのうち480メートルは管径100ミリメートルの石綿セメント管で施行すべき箇所を75ミリメートルのもので施行しており、さらに、配水管が未接続となっているものが2箇所あるなど設計どおりの工事を施行しなかったため計画のうち一部を除いては給水することができない状況であり、補助の目的を達していない。 | ||||||||
| (194) | 岐阜県 | 土岐市し尿処理場新設事業 | 土岐市 | 18,406,000 | 18,406,000 | 4,601,500 | 1,036,000 | 259,000 | 
| 事業費の精算にあたり、18,406,000円を国庫補助基本額としているが、工事施行にあたりあらかじめ本件工事の請負人から割りもどしを受けることとして18,406,000で随意契約を締結し、工事完了後1,036,000円を収納しているのでこれを右基本額から控除すべきである。 | ||||||||
| 計 | 94,986,000 | 91,786,000 | 22,946,500 | 11,446,388 | 2,861,596 | |||