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  • 昭和33年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の事項|
  • 第6 農林省|
  • (一般会計)|
  • 不当事項|
  • 工事

代行工事の施行にあたり処置当を得ないもの


(196) 代行工事の施行にあたり処置当を得ないもの

 (組織)農林本省 (項)開拓事業費

 仙台農地事務局で、岩手県に施行させた氷内線開拓道路工事は、昭和32、33両年度に工事費8,799,000円(うち32年度分4,886,000円)で町道内野線の一部を拡幅改修したものであるが、本件工事は主として既存農家の営農および町有林の木材搬出に利用されている町道の改修工事であるから、これを全額国費支弁の代行工事として施行することは当を得たものとは認められない。 
 右工事は、大東町を起点とし氷内、石鍋両開拓地を経て同町町有林に至る前記町道のうち3,268メートルの在来幅員が3メートル程度であったものを4メートルに拡幅改修したもので、両地区の開拓振興をはかり、あわせて両地区から約1キロメートル奥地の蛇山地区が開拓予定地となっているのでその開墾機械搬入にも利用することとしているものである。しかしながら、右町道は主として付近の既存農家136戸により利用され、また、町有林等1,810町の木材搬出等に利用されているばかりでなく、氷内、石鍋両地区は計画入植戸数45戸に対し23年度にすでに44戸が入植し、その後本件道路を利用して営農に支障がなかったものであるのに、入植後10年を経た現在、右両地区の開柘振興をはかるためとしてことさら改修を行なう必要はないものと認められ、また、前記蛇山地区は機械開墾によって開拓を行なう予定としているが、開拓地区として採択さえもされていないものであり、将来機械を搬入するとしても木材搬出等の現況からみて在来の道路を使用して支障はないものであるから、本件工事を全額国費支弁の代行工事として施行する要はなかったものと認められる