日本国有鉄道大井ほか2工場(注)
で、昭和33年度中に、高価に売り渡すことができるレールくず895.37トンを鋳鉄および鋳鋼の鋳物用材料として使用したため約450万円が不経済となっていると認められる。
右は、前記各工場で地方資材部用品庫等から保管転換を受けたレールくずを鋳物用材料として使用したものであるが、レールくずは資材局で普通鋼くずに比べて高価に売り渡すことができるものとして普通鋼くずと区分して公開競争入札により売り渡しており、33年度中、前記各工場所在地域での売渡価格はトン当り22,842円から31,308円となっていて、普通鋼くず特級品Aの売渡価格トン当り18,000円に比べてトン当り4,800円から13,300円程度高価となっているものであり、一方、普通鋼くず特級品Aのうちには鋳物用材料としてレールくずと同等価値を有するレールのくず(屈曲、穴、きずのある物および1メートル未満の物等で普通鋼くず特級品Aとして整理されているもの)が含まれており、34年3月における隅田川用品庫ほか8箇所の普通鋼くず特級品A在庫量1,820トンのうちにはレールのくずが788トン(43.3%)あった状況からみても、前記各工場で鋳物用材料として使用したレールくず895.37トン程度のものは資材局で33年度中に売り渡した普通鋼くず特級品A57,459トンのうちに含まれているレールのくずで十分確保することができたものと認められるから、鋳物用材料としては売渡価格の低価な普通鋼くず特級品Aを使用すべきであったものと認められるのに、地方資材部等関係部局との連絡が十分でなく高価に売り渡すことができるレールくずを使用したのは処置当を得ない。
いま、仮に前記各工場で使用したレールくず895.37トンは売り渡すこととしこれに代えて普通鋼くず特級品A中のレールのくずを使用したものとすれば、同一地域の取引価格で計算し別途レールのくずの保管転換に要する経費を考慮しても約450万円は有利となったものと認められる。
(注) 大井、浜松、広島各工場