農林漁業金融公庫の昭和33年度中の新規貸付実行額は、土地改良事業資金121億2千8百余万円、造林、伐採調整および林道資金34億8千3百余万円、漁港施設および漁船資金43億4千2百余万円、製塩施設資金11億9千余万円、農林漁業者の共同利用施設資金42億2千8百余万円、自作農維持創設資金83億2千3百余万円、その他9億2千4百余万円計346億2千1百余万円で、これから回収額130億7千9百余万円および滞貸償却額4千3百余万円を差し引いた年間純増加額は214億9千8百余万円に上り、年度末貸付残高は1485億8千1百余万円であって、このうち元金の延滞が6箇月以上のものは28億4千2百余万円(うち1年以上延滞のもの26億7千4百余万円)である。
33年度においては、一応6億4千2百余万円の利益をあげたが、これを全額滞貸償却引当金等に繰り入れたため国庫に納付すべき利益金はなかった。
また、33年7月国から65億円の出資を受けた非補助小団地等土地改良事業助成基金の勘定では、2億55百余万円の利益をあげたが、全額同基金に組み入れた。
本院においては、34年4月から9月までの間に、1,790件59億2千3百余万円の貸付金について実地に調査したところ、業務方法書に定める貸付の限度をこえる結果となっていたもの、貸付対象事業に補助金の交付があった後も補助金相当額がそのまま貸し付けられていたものなどが前年度調査未了であったものを含め401件2億4千7百余万円あり、貸付後の管理についてはなお改善の要があるものと認められる。このうち同公庫では34年9月末までに294件1億7千2百余万円について繰上償還等をさせている。