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  • 昭和34年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の事項|
  • 第3 大蔵省|
  • 不当事項|
  • 物件

土地の売渡価額が低廉と認められるもの


(11) 土地の売渡価額が低廉と認められるもの

 (一般会計) (部)政府資産整理収入 (款)国有財産処分収入 (項)国有財産売払収入

 関東財務局千葉財務部で、昭和35年1月、随意契約により寺井某に市川市所在の土地172.71坪を130,050円で売り渡しているが、宅地として評定するのが妥当であるのに農地として評定したため売渡価額が約95万円低額となっていると認められる。
 右は、相続税の物納財産として26年6月市川税務署から引継ぎを受けた土地を物納前からの使用者に売り渡したもので、その評定価格の算定にあたっては現況により畑として相続税課税標準価格および固定資産税課税標準価格を基準として反当り226,000円(坪当り753円)とし総額130,050円と算出したものである。
 しかしながら、本件土地は、総武線市川駅および本八幡駅からいずれも約1キロメートルの距離にあり、市川都市計画用途指定地の工業地域内に所在し幅4メートルの市道に面していて周辺もすべて宅地であって、畑ではあるが容易に宅地に転用することができるもので、同財務部においても売買契約書には宅地(現況畑)として記載し、現に、35年2月宅地に地目変換の登記を行なったうえ3月所有権の移転登記をしている状況であるから、宅地として評定するのが妥当であったと認められる。
 いま、仮に同財務部において34年12月本件土地に隣接する宅地を売り渡したときの更地価格坪当り9,630円を基準価格とし、これから整地費および耕作権相当額として35%を控除して評定価格を算出すると坪当り6,260円総額1,081,164円となり、本件売渡価額はこれに比べて約95万円低額となる計算である。