日本国有鉄道の昭和34年度決算についてみると、営業利益は27億9千1百余万円、営業外利益は6億7千4百余万円で、計34億6千5百余万円の純利益を計上している。これを前年度の営業利益27億8千6百余万円、営業外利益73億8千8百余万円計純利益101億7千4百余万円に比べると、営業利益において4百余万円の増加、営業外利益において67億1千3百余万円の減少で、純利益においては67億9百余万円の減少となっている。
営業利益の増加が僅少にとどまったのは、前年度に比べて輸送量において旅客7.4%、貨物9.6%が増加したなどのため、営業収入は3677億9千4百余万円となって319億4千8百余万円9.5%が増加したのに対し、一方、営業経費も3650億3百余万円に上り319億4千4百余万円9.5%の増加となったことによるものであって、経費増加のおもなものは、人件費190億5千6百余万円、修繕費56億8千2百余万円、業務費25億7千余万円、利子及び債務取扱諸費22億2千3百余万円等である。
昭和34年度の修繕費および工事経費の決算額は、修繕費548億4千4百余万円、工事経費1075億8千7百余万円であるが、工事経費は前年度決算額872億8千7百余万円に比べて203億余万円の増加となっており、また、支出予算現額1235億1千7百余万円に対して119億2千8百余万円を翌年度に繰り越し、40億余万円を不用額としている。
検査の結果についてみると、予定価格の積算、現場における指導監督および検収が適切を欠いているものがなお見受けられるからその適正を期するよう一段の留意が望ましい。
昭和34年度における貯蔵品の購入額は1134億4千9百余万円、年度末貯蔵品残高は173億5千8百余万円で、前年度末の177億5千4百余万円に比べて3億9千6百余万円減少しており、その回転率を石炭および車両を除いた一般貯蔵品についてみると4.48となっていて前年度の3.76に比べて向上を示している。