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  • 昭和36年度|
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船員保険保険料の徴収不足をきたしたもの


(166) 船員保険保険料の徴収不足をきたしたもの

(船員保険特別会計) (款)保険収入 (項)保険料収入

 船員保険事業における保険料徴収の適否について、青森県ほか10都府県における10保険課および3社会保険事務所管内の3,875船舶所有者のうち341船舶所有者を調査したところ、その46%に当たる158船舶所有者に徴収不足の事態が見受けられ、これを是正させたものが保険料17,070,652円あり、都府県ごとに集計すると次表のとおりである。
 このような事態を生じているのは、歩合により報酬を受ける漁船船員の報酬月額を実施機関と船主団体との協議によって実際より低く算定しこれに基づいて標準報酬を決定していたり、その他の船員の報酬月額について昇給、諸手当の脱漏等により標準報酬の改定を要するのにこれをしていなかったりしていることによるものである。
 漁船船員歩合給の報酬月額算定については、船員保険法(昭和14年法律第73号)に基づき算式が定められているが、これにより報酬月額を算定するのが困難な実情で従来から実際の報酬より著しく低いものとなっており、その適正化をはかるため厚生省においても漁船船員報酬の実態調査の結果により35年11月暫定基準を設け、これに基づいて標準報酬を決定するよう指導したところであるが、実施機関のうちにはこの基準に満たない標準報酬を決定しているものがある状況で、標準報酬の適正なは握につてはなお一層の努力が望ましい。

船員保険保険料の徴収不足をきたしたものの図1