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  • 昭和36年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第5 農林省|
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条件を付して売り渡した原麦に対する処置当を得ないもの


(188)−(190) 条件を付して売り渡した原麦に対する処置当を得ないもの

(食糧管理特別会計) (国内麦管理勘定) (項)雑収入
(農産物等安定勘定) (項)雑収入

 食糧庁宮城ほか14食糧事務所(注) で、条件を付して売り渡した原麦について、売渡し後の条件の履行確認の処置が適切でなかったため、条件に違背されているものが次のとおりある。

(注)  宮城、福島、栃木、千葉、神奈川、長野、静岡、大阪、兵庫、広島、愛媛、高知、福岡、長崎、大分各食糧事務所

(188)  宮城ほか11食糧事務所(注) で、昭和36年度中、随意契約により松崎精麦株式会社ほか20精麦工場に対し、特別麦として大麦およびはだか麦29,329トン752を全量麦ぬかに加工する条件を付して682,299,580円で売り渡しているが、買受人がこの条件に違反して1,445トン627の精麦を生産したためこれに対する違約金47,705,691円を徴収すべきものがある。
 本件特別麦は、飼料需給事情の緩和等を目的として飼料用麦ぬかの増産をはかるため、精麦工場に普通麦(精麦用)売却量の3分の2の範囲内の数量を普通麦の標準売渡価格に比べて1俵当り大麦(52.5キログラム)325円、はだか麦(60キログラム)407円(36年4月から6月まで大麦365円、はだか麦457円)低価に売り渡したもので、その売渡しにあたり、精麦工場で特別麦の全量を麦ぬかに生産させることとし、これを精麦用に流用させないため、工場における精麦の加工歩留りの最高限度を普通麦について大麦56.5%、はだか麦66.8%とし、この条件に違反し精麦が所定量をこえて生産された場合は当該超過精麦量に対してキログラム当り33円の違約金を徴収することとしている。
 しかるに、本院において前記21精麦工場につき実地に調査したところ、36年度中の精麦総生産量は33,237トン545で、普通麦の精麦限度数量31,791トン918に比べて1,445トン627が売渡条件に違反し限度をこえて生産されており、これに対する違約金47,705,691円を徴収する要があるものである。

(注)  前記15食糧事務所のうち大阪、兵庫、愛媛各食糧事務所を除く12食糧事務所

(189)  千葉、愛媛両食糧事務所で、昭和36年度中、随意契約により中台精麦株式会社ほか3精麦工場に対し特別麦47,376俵を全量麦ぬかに加工する条件を付して67,371,960円で売り渡しているが、本院において上記4精麦工場につき実地に調査したところ、このうち2,930俵をこの条件に違反していずれも麦ぬかに加工することなく転売しており、このような場合には一般主食用売渡価格から特別麦用の売渡価格を差し引いた額に1.1の乗率を乗じた違約金を徴収することとしているのであるから、これにより違約金を計算すると、948,170円を徴収する要があるものである。
 なお、上記違約金については37年10月および11月その全額を納付させた。

(190)  大阪、兵庫両食糧事務所で、昭和36年9月から37年2月までの間に、随意契約により飼料用小麦加工専門工場である山陽製粉株式会社に対し、飼料用原麦(カナダ産マニトバ小麦)4,995トン877をふすまを規定量以上生産する条件を付して126,563,350円で売り渡しているが、この条件に違反してふすま226トン500を生産しなかったためこれに対する違約金953,765円を徴収すべきものがある。
 本件飼料用小麦は、これを売り渡すにあたり、買受数量の60%以上のふすまを生産しなければならないことを条件とし、この条件に違反したときは当該違反にかかる飼料用小麦の売渡価格の100分の10に相当する違約金を徴収することとしている。
 しかるに、本院において、前記会社につき実地に調査したところ、契約上の規定ふすま生産量2,997トン529に対し226トン500が不足となっていたので、これに対する違約金953,765円を徴収する要があるものである。
 なお、上記違約金については37年7月その全額を納付させた。