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  • 昭和36年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第8 郵政省|
  • 不当事項|
  • 物件

郵便用ベルトコンベヤの購入にあたり仕様が適切でなかったため不経済となっているもの


(412) 郵便用ベルトコンベヤの購入にあたり仕様が適切でなかったため不経済となっているもの

(郵政事業特別会計) (項)業務費

 郵政省で、昭和36年10月、指名競争後の随意契約により三機工業株式会社から郵便用ベルトコンベヤ(機長3.8メートルから10メートルのもの)155個を26,300,000円で購入しているが、仕様が適切でなかったため約260万円が不経済となっていると認められる。
 本件郵便用ベルトコンベヤは、郵便局において郵袋の搬送用に使用する可搬式のもので、郵便の滞貸、遅配を解消するため購入し東京中央ほか32郵便局に配付したものであるが、その仕様書において薄鋼板を加工したわく組みを有する鋼板製ポータブルベルトコンベヤ(以下「鋼板型」という。)を指定し、これを購入することとしたものである。

 しかるに、東京郵政局においては、35年11月、わく組みに鋼製パイプを使用したポータブルベルトコンベヤ(以下「パイプ型」という。)を6個購入し、その使用実績を勘案してさらに36年9月これを27個購入し使用しており、また、大阪郵政局においてもすでに33、34両年度にこれと同型のものを購入し使用しているものであるが、パイプ型および鋼板型について、本院においてこの両者が配備されている東京中央、下谷両郵便局につき、作業能率、搬送能力等について調査したところ、パイプ型は鋼板型に比べて軽量で操作も容易であり、ベルト速度が速く、機高も低いなど郵袋搬送作業に適しているばかりでなく、わく組みにパイプを使用しているなどのため価格の点においても低価となっている状況である。
 したがって、本件郵便用ベルトコンベヤの購入にあたっては、性能、使用実績、価格等を十分調査検討して有利と認められるパイプ型を購入すべきであったと認められる。
 いま、仮に鋼板型にかえてパイプ型を購入したとすれば2363万円程度で足り、約260万円を節減することができたものと認められる。