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  • 昭和36年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
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仕様と相違する郵便配達地図をそのまま受け入れているもの


(413) 仕様と相違する郵便配達地図をそのまま受け入れているもの

(郵政事業特別会計) (項)業務費

 東京郵政局で、昭和36年11月、随意契約により住宅協会東京支所長渋谷某に千歳ほか9郵便局分の郵便配達地図の作成を1枚当り原図2,530円、複写6円で請け負わせ、原図1,912枚分4,837,360円、複写9,560枚分57,360円計4,894,720円を支払っているが、納入品の大部分である原図1,349枚(この代価約340万円)が仕様と相違するものであったのにそのまま受け入れている。
 本件地図は、郵便物配達業務における非常勤職員の携行資料として作成したものであるが、その仕様のうちにおいて、同支所で発行している既製地図について全世帯を実査し、その居住者の確認および番地等既製地図が現状と異る点を修正し、世帯主氏名等を記入するとともに番地境を明示することとしているが、納入された原図1,912枚のうち1,349枚には、本件地図を作成するために既製地図の実査修正を行なった形跡がなく、また、アパート内居住者、番地境等が大部分表示漏れとなっている。
 これらの仕様と相違する点は各郵便局分ごとにその一部を抽出して既製地図および郵便局備付けの居住者名簿と照合すれば判明したものと思われるのに、十分な抽出検査を行なわず、業者から実査した旨の保証書を徴しただけで、全数を仕様とおり作成されているものとして受け入れ、代価の全額を支払ったものである。