東北開発株式会社の昭和36営業年度末資本金は25億円(うち政府出資24億0750万円)で、前営業年度末に比べて1億円増加している。
36営業年度のおもな生産、販売事業はセメント38万トン、カーバイド4万6千余トン、石灰窒素8千トン、ハードボード1万トンを生産、販売する計画に対し、実績はセメントは生産数量34万余トン、販売数量37万余トン、カーバイドは生産数量4万2千余トン、販売数量4万1千余トン、石灰窒素は生産数量7千余トン、販売数量5千余トン、ハードボードは生産数量8千余トン、販売数量7千余トンとなっており、また、土地造成事業は造成土地19万余坪を売り渡す計画に対し、実績は17万余坪となっている。
新規事業は、砂鉄事業17億円、土地造成事業7億円、直轄工場の整備等2億8000万円、プリントボード事業1億円、投融資事業1億円、その他2000万円計29億円の計画に対し、実績は直轄工場の整備等1億1239万余円、投融資事業1億円計2億1239万余円で、砂鉄事業は技術、原料、経営形態等に関して具体的計画が整わなかったこと、土地造成事業は予定された企業の進出が確定しなかったこと、プリントボード事業はパーティクルボード事業に変更し、これが着工が遅れることによりいずれも事業を中止したことなどのため、計画に比べて26億8760万余円減少している。
事業に要する資金として政府出資金1億円、東北開発債券18億円計19億円を調達したが、そのうち新規事業に2億1239万余円を充て、営業支出等に7億5046万余円を使用し、残額9億3713万余円を翌年度に繰り越す結果となっている。
36営業年度の収益は47億9982万余円、費用は60億5464万余円で当期損失金は12億5482万余円となっているが、このうちには、本年度において秋田木材株式会社売却造成土地利益の解約もどし等の前期損益修正による損失2億5403万余円があるので、これを控除した本年度の純損失金は10億0078万余円となる。このように多額の損失が発生したのは、主として、セメント等事業で上半期における市況の停滞の影響、硬化セメントの値引処分等により6億3238万余円の損失を生じたためである。