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  • 昭和37年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第1 総理府|
  • (防衛庁)|
  • 不当事項|
  • 補助金

国庫補助金の経理当を得ないもの


(6)−(8) 国庫補助金の経理当を得ないもの

(一般会計) (組織)防衛本庁 (項)航空機騒音対策費
(組織)防衛施設庁 (項)施設提供等諸費

1 教育施設等騒音防止対策工事費補助金の交付にあたり処置当を得ないもの

(6)−(7) 駐留軍または自衛隊の航空基地周辺にある学校教育施設の騒音防止対策として、当該教育施設の設置者が現存の木造施設を鉄筋コンクリート造りに改築する場合には、その改築に要する工事費から、同改築がないと仮定した場合に、将来、現存木造施設の耐用年数経過に伴う改築の際設置者が負担すべき額(以下「負担金」という。)を所定の算式により算定して控除し、さらに、鉄筋コンクリート造りに改築する際解体施設から生ずる発生材評価格を控除した金額についてその全額を補助するものであるが、昭和37年度において交付した補助金につき、その算定の適否を検査したところ、控除額算定基礎の確認を誤ったため控除額が過少となり、ひいて補助金が過大に交付されていて返納を要するものが、次表のとおり2件1,582,757円ある。

庁名 事業名 事業主体 国庫補助金交付済額 国庫補助金交付済額中返納を要する額
(6) 仙台防衛施設局 三沢市立三沢小学校防音事業 三沢市 48,873,158 1,369,329
控除額の算定にあたり、現存校舎の建築年月を昭和15年12月とし、将来耐用年数を18.5年、経過年数を21.5年として、負担金を2,486,692円、発生材評価格を1,308,824円計3,795,516円としているが、実際の建築年月は大正15年12月、昭和12年12月および同27年6月であるから、平均将来耐用年数は9.15年、経過年数は10年から35.5年であり、算式によれば、負担金は将来耐用年数の短いほど多額となり、また、発生材評価格は経過年数の長いほど少額となるので、負担金は4,296,414円、発生材評価格は868,431円計5,164,845円となり、補助金1,369,329円が過大となっている。
(7) 名古屋防衛施設局 小松市立女子高等学校防音事業 小松市 49,786,756 213,428
控除額の算定にあたり、現存校舎の耐用年数経過に伴う改築に要する工事費を誤って小、中学校校舎の坪当り建築単価32,000円を適用して計算し、負担金を5,691,568円としているが、高等学校校舎の建築単価33,500円を適用すべきものと認められ、これによれば負担金は5,904,996円となり、補助金213,428円が過大となっている。
98,659,914 1,582,757

2 特別損失防止対策工事の施行が不良なため補助の目的を達していないもの

(8) 大阪防衛施設局で、昭和37年12月および38年4月、滋賀県に対し、饗庭野演習場局辺第3次防災工事D地区第8工区茶屋谷川砂防工事補助金として3,519,000円を交付しているが、うちえん堤工事(工事費2,387,000円)は施行が不良なため補助の目的を達していない。
 本件補助金は、同演習場から流出する土砂を阻止するため茶屋谷川に延長33メートル、高さ6.5メートルのえん堤および副堤、水たたき、護岸側壁を施行する工事費の全額を補助したものである。
 しかして、えん堤495立米は配合比1:3:6のコンクリートで施行したものであるが、コンクリートの練混ぜ、つき固めが不十分であり、また、冬期間の施行であるにもかかわらず養生も不十分であったため、表層30センチメートルの部分を除き、堤体内の上部はコンクリートが凍結し、軽石状を呈し、下部は骨材が分離しほとんど凝結していない状況であって、えん堤としての強度が著しく低下し補助の目的を達していない。