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  • 昭和37年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第3文部省|
  • 不当事項|
  • その他

収入金を歳入に納付しないなどの方法により資金を別途に保有し予算外に経理したもの


(217)−(220) 収入金を歳入に納付しないなどの方法により資金を別途に保有し予算外に経理したもの

(一般会計) (部)官業益金及官業収入 (款)官業収入 (項)病院収入
(部)雑収入 (款)諸収入 (項)受託調査試験及役務収入 (項)弁償及返納金 (項)物品売払収入
(組織)国立学校 (項)国立学校

 東京大学ほか3大学で、検査料、農場生産物売払代金等を受領しながら歳入に納付しないで、または賃金に付増しして資金をねん出して別途に保有し、これを予算外に経理して賃金、物品購入代等に充てていたものが次のとおり4件あり、そのうちには、検査料が徴収不足の結果となっているものがある。
 これらは、病院、農場等の担当者が、歳入徴収官等の会計機関に連絡しないでまたは関係書類を作為してほしいままに行なってきたものであり、いずれも大学における担当者のうちに会計法規によらないで経理する傾向が跡を絶たないことによるものと認められる。

(217)  東京大学で、昭和37年1月から38年7月までの間に、同大学医学部附属病院で実施した病理組織顕微鏡検査等の検査料1,753,580円(前年からの繰越金110,000円を含む。)を受領し、これを歳入に納付しないで保有し、うち1,625,800円を賃金、材料費、雑誌購入費等の支払いに充て、38年7月会計実地検査当時残額127,780円を保有していた。
 また、上記検査料の徴収にあたって正規の料金によらなかったため徴収不足の結果となっているものが440,774円ある。

(218)  東京教育大学で、昭和36年4月から38年3月までの間に、同大学農学部附属坂戸農場で生産した牛乳の売払代金等5,003,416円(前年度からの繰越金238,963円および預金利子1,308円を含む。)を受領し、これを歳入に納付しないで保有し、その一部1,446,334円を歳入に納付したが、残額3,557,082円に預り金等140,341円を合わせ3,670,584円を肥料、飼料代等の支払いに充て、38年3月会計実地検査当時残額26,839円を保有していた。

(219)  横浜国立大学で、昭和34年ごろから38年9月までの間に、同大学工学部で実施した石炭、海草等の分析手数料等673,014円を受領し、これを歳入に納付しないで保有し、うち585,540円を助手の手当、教官の旅費、機械器具の購入費等の支払いに充て、38年9月会計実地検査当時残額87,474円を保有していた。

(220)  高知大学で、昭和35年5月から38年4月までの間に、同大学農学部附属農場の常よう労務者の賃金に408,575円を付増しして資金をねん出して保有し、うち391,853円を臨時労務者の賃金、失業対策事業就労者の手当等の支払いに充て、38年4月会計実地検査当時残額16,722円を保有していた。